不運という言葉では言い尽くせない、痛恨のアクシデント

●8月3日(公式練習/公式予選/スプリントレース2・50分間レース)

 スーパーGT第4戦『富士GTスプリントレース』は、日曜日の富士スピードウェイで、GT300クラス、GT500クラスそれぞれ50分間のレース2が開催されました。

 前日のレースでは、ドライブスルーペナルティーを課されながらも追い上げを見せて15位入賞を果たしたVELOREXの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、ロベルト・メリ・ムンタン選手から片山義章選手にバトンタッチし、優勝を狙う意気込みです。

 午前8時30分からスタートした公式練習は、気温29℃、路面温度40℃というコンディション。コースインした片山義章選手は強いアンダーステアを訴え、エンジニアはなんとかアジャストしようとセットアップ変更を試みましたが、セッション終了までには解決できず、片山義章選手のベストタイムは1分38秒158で、全体の18番手にとどまりました。

 古場博之エントラント代表も「昨日とは路面コンディションが大きく変化し、グリップが上がってきたせいでアンダーステアが強く出ていました。ロングランをやって、予選シミュレーションもしたのですが、アンダーステア状況が解決しないまま、予選、決勝では別のコンパウンドのタイヤで行くことになるので、少しリスクがありますね」と語っていました。予選を前にしてチームは大幅なセッティングの変更を決断しました。

 午前11時からの予選では、気温31℃、路面温度43℃と昨日よりは涼しいコンディションとなりました。20分間の予選でしたが、片山義章選手は残り9分20秒でコースインし、5周目に1分37秒928をマーク。しかしその順位は13番手でした。

 ニュータイヤで迎えた予選では、逆にオーバーステアが強く出てしまい、バランスが取れた状況ではなかったと語る片山義章選手でしたが、その表情に焦りはなく、決勝に向けてアジャストすべき点を冷静にエンジニアに伝え、決勝レースに向けて集中
力を高めていました。

 午後1時20分、ピットレーンがオープンし、今回のレース2ではウォームアップ走行の時間が設けられていないため、ストレートを通過せずにピットレーンを通過して周回をする10分間のレコンサンスラップがスタートしました。片山義章選手にとっては、決勝前にセッティングを確認する最後のチャンスです。片山義章選手からエンジニアに対して無線でバランスは問題ないとのコメントが届きました。

 決勝レースのグリッドにマシンが並べられ、気温32℃、路面温度42℃、湿度65%という状況の中、13番手グリッドに並ぶ深紅のフェラーリ、片山義章選手は、虎視眈々と上位を狙います。

 午後2時15分、2周のフォーメーションラップからレースがスタート。しかしスタート直後の混乱の中、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは1コーナーで止まり切れなかったイン側の車両に弾き飛ばされ、なんとかコースに復帰したものの、今度はヘアピンコーナーでコースアウトしそうになった前車が突然インにステアリングを切り込んできて接触。6号車は右フロント部分を激しくヒットされ、ピットに戻りましたがダメージが大きく、そのままリタイアとなってしまいました。

片山義章選手のコメント

「今回のレースは、前回優勝していた富士だけに、チームも自分も期待して挑んだレースでしたが、本当に悔しい結果に終わってしまいました。公式練習では路面コンディションの変化か、アンダーステアが強く、それをアジャストしきれないまま予選に臨むことになりました。コンパウンドの異なるタイヤで予選を迎えることはわかっていたので、ややオーバーステア気味になる方向にセッティングを振ったのですが、今度はオーバーステアが強すぎるという状況になり、期待していた順位とは異なった結果になってしまいました。それが決勝レースでのアクシデントに繋がった駄目なポイントだったのかも知れません」

「決勝レースに関しては、勝てる展開をイメージして挑んだのですが、1コーナーで押し出された挙句、ヘアピンで自分の前を走るマシンがまったくこちらを見ていなかったのか、ありえないラインでステアリングを切ってきたことで接触され、なんとかピットに戻ったのですが、予想以上にダメージが大きくリタイアとなってしまいました。ちゃんと最後まで戦えれば、必ず上位にいけたレースだったと思います。次のレースは得意な鈴鹿ですし、しっかりと準備をして勝ちにいきたいと思います」

片山義章(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI)
片山義章(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI) 2025スーパーGT第4戦富士

小倉啓吾チーム監督のコメント

「ちょっと酷い接触事故でした。それ以上にレースを落としてしまったことが悔しくてなりません。予選でのポジションがあのアクシデントに巻き込まれる遠因ではあったので、やはりもっとしっかりと上位グリッドからスタートできるようにチームとして頑張らなければなりません」

「鈴鹿はチームとしても得意としているので、昨日のペナルティの反省も含め、しっかりとチーム全体で話し合って、最大限の準備を整え、今日の分は取り返したいです。今日はせっかく応援に来ていただいたファンの皆さんや、スポンサーの方々にちゃんとしたレースをお見せ出来ずに申し訳ない気持ちでいっぱいです」

古場博之エントラント代表のコメント

「フリー走行、予選での流れは決勝で挽回できると思っていたのですが、本当に残念な結果になってしまいました。レース直後の第1コーナーでのアクシデントは、よくある出来事ですし、片山義章選手もその動きを想定してマシンにダメージを与えないようにコースアウトして戻ってきたのですが、ヘアピンでのアクシデントは、あり得ない動きをされたというか、後方を見ていない危険行為だと思いました。ピットに喉ってきたマシンはステアリングが切れない状態になっていたので、残念ながらリタイアとなりました」

「開幕戦での失格以来、全レースでポイントを獲得していこうとチームが一丸となって戦ってきた記録が潰えてしまったのは残念です。次の鈴鹿はテストでも良い結果が出ていますし、ふたりのドライバーも得意としているサーキットなので、しっかりと優勝を狙って準備していきたいと思います」

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