#12 TRS IMPUL with SDG Zが6位&5位と連続入賞

スーパーGT 2025第4戦レースレポート

●スーパーGT初のスプリントレースが開催
●#12 TRS IMPUL with SDG Z が6位&5位と連続入賞
●8月3日のRace2では4台のZが入賞を果たす

 2025年スーパーGTシリーズ第4戦が8月2日、3日に富士スピードウェイで開催されました。この大会はシリーズで唯一、スプリントレースのフォーマットを採用し、GT500クラスは各日1レースずつ、合計2レースを行いました。Race1では8番手からスタートした#12 TRS IMPUL with SDG Z(ベルトラン・バゲット)が安定かつ積極的なレースで6位に入賞。翌日に行われたRace2ではチームメイトの平峰一貴が5位と、#12 Zが2戦連続で入賞し、また、ニッサンZニスモGT500勢は4台が入賞を果たしました。

 猛暑のなかで行われた2025年シーズン第4戦は、土曜日と日曜日にそれぞれ公式練習、予選、スプリントレースが行われる変則フォーマットで開催されました。ニッサン/NISMO陣営は、#3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)、#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)と#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z (松田次生/名取鉄平)の4台8名が、スプリントレースに挑みます。

 なお、変則的なレースフォーマットのため、今大会のサクセスウエイトは全車0kg、上位車に与えられるポイントはハーフポイントとなり、そのポイントは両ドライバーに与えられることになります。

【GT500】
8月2日(土) Race1
#12 TRS IMPUL with SDG Zが6位
#3 Niterra MOTUL Zが8位で、2台のZが入賞を果たす

Race1 予選
#3 Zの佐々木が予選4番手を獲得

 8月2日(土)、12時10分から予選が開始されました。Race1を担当する#3 Zの佐々木、#23 Zの高星、#12 Zのバゲット、#24 Zの松田が10分間の予選に臨みました。

 真夏の強い日差しのもと、気温35度、路面温度55度という厳しいコンディションとなり、タイヤの選択とウォームアップが難しい状況で、各車4周目からアタックを開始。#3 Zの佐々木が5周目に1分28秒466でニッサンZニスモGT500勢の最速ラップを刻み4番手を得ると、#24 Z松田が1分28秒711で6番手、#12 Zバゲットが1分28秒870で8番手、#23 Z高星は1分28秒871と1000分の1秒差で9番手となりました。僅差の争いのなか、Z勢は決勝につながるポジションで予選を終えています。

Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞) 2025スーパーGT第4戦富士

Race1 決勝
序盤にポジションを上げた#12 Zが6位入賞

 15時15分から、2周のフォーメーションラップを経て、35周で争われるRace1がスタートしました。オープニングラップのコカ・コーラコーナーの立ち上がりで2台が接触し、1台がコースアウトしストップ。このアクシデントの直後にいた#23 Zの高星は間一髪で接触を避けたものの、ポジションを失ってしまいました。

 ストップしたマシンの回収のため、セーフティカー(SC)が導入されます。1周目を終えた時点で#3 Zの佐々木は4番手をキープし、#12 Zのバゲットは6番手にポジションを上げました。#24 Zの松田は9番手、#23 Zの高星は11番手となっています。

 レースは6周目に再開、しかし#3 Zはペースが上がらず後退、これにより#12 Zが5番手に浮上し、7周目に#3 Zは7番手となりました。13周目、ハイペースで追い上げる後続に先行を許した#12 Zは6番手となります。レース中盤には、雨が降り始める空模様となりましたが、レースに影響を及ぼすほどの降雨とはならず、レースは終盤戦を迎えました。

 接近戦が続くもののポジションの変動はなく、#12 Zは6番手、#3 Zは7番手でチェッカーフラッグを受けましたが、SCのリスタート時の競り合いに対し、ライバルとともに5秒加算のタイムペナルティを受け8位に。#23 Zは11位、終盤ペースを落とした#24 Zは12位でフィニッシュしています。

ベルトラン・バゲット選手(#12 TRS IMPUL with SDG Z)

「難しいレースでした。スタートは良く、タイヤも安定感がありましたが、クルマのバランスは完璧とは言えませんでした。そのため6位が精いっぱいでした。今晩は明日のレースを走る平峰選手のために、クルマを良く仕上げられるようにチームで話し合います。次戦の鈴鹿は相性のいいコースなので、少なくともポディウム争いをし、なんとかまた勝ちたいと思います」

8月3日(日)Race2
#12 TRS IMPUL with SDG Zが5位
Z勢は4台全車が入賞を果たす

Race2 予選
#12 Zの平峰が予選7番手に

 8月3日(日)、11時30分から予選が開始されました。Race2を担当する#3 Zの三宅、#23 Zの千代、#12 Zの平峰、#24 Zの名取がそれぞれ10分間の予選に臨みました。

 前日同様、富士スピードウェイは厳しい暑さとなり、気温35度、路面温度55度という厳しいコンディションのもと、#12 Zの平峰が1分28秒145でZ勢最上位の7番手を獲得。#24 Zの名取が1分28秒186で8番手、#3 Zの三宅が1分28秒425で9番手、#23 Zの千代は1分28秒632で11番手となりました。Race1同様、予選は非常に僅差の争いとなり、Z勢は決勝での巻き返しを狙います。

リアライズコーポレーション ADVAN Z、MOTUL AUTECH Z(上)、HELM MOTORSPORTS GT-R(左下)、GAINER TANAX Z(右下)

Race2決勝
積極的なレースで#12 Zが5位入賞を果たす

 Race2の開始が近づくにつれて空には雲が立ち込め、降雨の可能性もある状況となりました。気温は29度まで下がり、16時55分から50分間で争われるRace2が行われました。序盤戦の激しいポジション争いで、Z勢の順位は変動しました。
 
 7番手スタートの#12 Z平峰は積極的に攻めて1周目、2周目とポジションを上げて5番手に浮上。8番手スタートの#24 Z名取は一時11番手までダウンしますが、4周目には9番手に戻しました。#3 Zの三宅は一旦10番手に下がりますが、2周目には9番手となり、4周目には#24 Zに先行を許して10番手。#23 Zの千代は他車に接触され、1周目に13番手にダウンしています。

 ペースを上げる#24 Zの名取は8周目に8番手、12周目に7番手とポジションを上げ、同様に#3 Zの三宅も10周目、14周目と前車をパスして8番手となりました。勢いを増した#24 Zと#3 Zはペースの落ちたライバルをパスし、6番手、7番手となって接近したポジション争いを繰り広げ、レースは終盤戦に入ります。

 2台のZによるサイド・バイ・サイドの激しいバトルは最後まで続きます。バトル中、コカ・コーラコーナーでオーバーテイクを仕掛けた#24 Zが#3 Zをコース外に押し出す状況が起こり、#24 Zには5秒のタイムペナルティが科されました。

#12 Zは、ペースを落とすことなく前車に迫り、白熱したバトルを繰り広げ、5番手でフィニッシュ。手に汗握る接戦を続けた#24 Zと#3 Zは、接近したまま6番手、7番手でチェッカーフラッグを受けました。12番手で終盤戦を迎えた#23 Zは粘り強く戦い、ファイナルラップにも1台をパスして10番手でフィニッシュしました。

 6番手でゴールした#24 Zは5秒加算により10位まで順位を落としましたが、これにより#3 Zは6位、#23 Zは9位に繰り上がり、ニッサン/NISMO陣営は4台すべてが入賞を果たす結果となりました。

 初の試みとなった2日にわたるスプリントレース、ニッサン/NISMO陣営はRace2で4台が入賞し、難しい戦いながらも成果を得ることができました。次戦鈴鹿での第5戦に向けてより競争力を高める準備をして、優勝を目指して努力を続けます。

平峰一貴選手(#12 TRS IMPUL with SDG Z)

「変則日程のスプリントレースは、これはこれで面白い試みだったと思います。とにかく僕はどんな条件でも全力で走ることを心がけていますから、レース自体は楽しかったですね。ただ、ライバルは強くて、なかなか抜くには至らず、ちょっと苦しい思いをしたことも事実ですが、チームがクルマを色々と改善してくれたおかげで、Race1のバゲット選手の時よりも乗りやすくなったのではないかなと思います。次戦の鈴鹿も思いっきりいきます!」

【GT300】

 GT300クラスには4台のニッサンGT-RニスモGT3と、1台のGTA GT300規則のフェアレディZが参戦しました。Race1では#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが11位、Race2ではチームメイトの平手晃平が10位に入り、ポイントを獲得しました。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(J.P.デ・オリベイラ/平手晃平) 2025スーパーGT第4戦富士

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