その鈴鹿戦を3週間後に控えるなかで心配なのがModulo HRC PRELUDE-GTの状況だ。最初のセーフティカーが解除された5周目にホームストレートで発生した激しいクラッシュで、イゴール・オオムラ・フラガ駆る64号車Moduloは宙に浮き上がり逆さまに近い状態で着地した。
車両の損傷状態を尋ねられた徃西エンジニアは、「詳しいところはこれから検査するところですが」と前置きを入れつつ、次のように説明した。
「左フロントのルーフ、Aピラーの状態からすると、あのあたりから着地したようです。中にパイプのロールケージが入っていますが、そのAピラーの頂点の角のところが少し変形していました。裏返りながらフロント前端とAピラー辺りで着地したという感じで、その時の衝撃で当たってしまった部分がそれなりに壊れています」
「衝撃がモノコックなどの骨格に影響が及んでいないかはこれから詳しく検査しますが、現時点で外傷のようなものはあまりなさそうなので、次の鈴鹿に向けて準備するという点ではなんとかなるんじゃないかなと思っています」
同氏は、車両が浮き上がった原因について、現在のGT500車両が抱える空力的な課題を示唆している。
「ストレートでヒットされてスピン状態になり、おそらく逆ムーブ(後ろ向き走行)になったことで、浮かび上がる症状というかモードに入ってしまったと推測しています」と徃西エンジニア。
「テクニカルレギュレーション面でも予防や抑止策として、横から空気が入った時に浮かび上がりにくいような規則の改正などは入れ込んでいますし、前向きに関してはGTAさんと考えてやってきましたが、やはり真後ろを向いた時というのは、今回のような症状を引き起こしてしまうのかなというところですね。完全に防止するのは難しいでしょうが、抑止するようなデバイスの検討などは他メーカーさんや(スーパーGTをプロモートする)GTAさんと以前から議論していました。今回も車載カメラの映像を含めて詳しく調べてみたいと考えています」
大きな事故に遭ったフラガは救出前の段階でチームからの無線に応え、外部に対してサムアップを見せるなど意識があることが確認されている。



