10月3日、2026年MotoGP第16戦日本GPのスプリントレースがモビリティリゾートもてぎで行われ、ディオゴ・モレイラ(プロホンダLCR)が自己最高の2位を獲得し、ブラジル人としてはスプリントで初めてポディウムに上がり、その喜びを語った。
過去にはMoto3、そして2025年にはMoto2でブラジル人初の世界チャンピオンに輝き、今季からルーキーとしてついにMotoGPクラスへステップアップしたモレイラ。ブラジル人ライダーとしては、1990年から2007年まで参戦したアレックス・バロス以来19年ぶりの参戦となり、注目を集めている。そんな彼は、レースを重ねるごとに成長を見せており、高いパフォーマンスを発揮している。
MotoGPクラスにおいては、もてぎを走るのは今大会が初めてにも関わらず、ホンダ陣営では最上位となる予選9番手を獲得した。スプリントでもオープニングラップの波乱をうまく掻い潜ると、序盤からアグレシッブにライバルへと立ち向かった。小椋藍(スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム)をも捉え、3番手を走るエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)との差も少しずつ詰めていた。最後までオーバーテイクには至らなかったが、ほぼ射程圏内というところまで迫っていた。
4位でチェッカーを受けることとはなったが、2位のホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)、そしてバスティニーニにトラックリミット違反による1ポジションダウンのペナルティが科されることに。それにより2位へと繰り上がりとなり、初めてのポディウムを獲得した。ポディウムでは笑顔が見られたが、レース後の囲み取材では「これが本来の実力通りの結果ではないことは分かっているんだ」と話をし始めた。
「今日はターン3で複数台のクラッシュが起きたから、運にも恵まれたね。でも今日のペースは良かったし、今日は走るたびにどんどん楽しくなっていったんだ。だからこそペースも上がったのだと思う。だからこそ僕は先頭集団に追いつき、コース上でのリズムを掴もうとしたんだ。周回を重ねるごとに感触が良くなり、プッシュできるようになっていたし、マシンの調子も良かったからね」
「それに最後の2周は限界ギリギリだったけれど、ラップタイムは出ていた。ものすごく速く走れていたし、上位勢にタイムもついていた。だから本当に嬉しいんだ」
結果は、いわば棚ぼたでの表彰台獲得にはなったが、やはり嬉しそうな表情も浮かべていたが、「でもあと1周あれば……もしかしたら自力で表彰台を争えていたかもしれないよね」と少々悔しそうな表情も見られた。
「ファイナルラップで彼ら(マルティンとバスティアニーニ)がグリーンゾーン(コース外)にタイヤが触れたのが見えて、その瞬間に表彰台圏内に入ったと確信したよ。僕にとっても、そしてホンダにとっても、とても良い結果だと思う」
ただ、スプリントという短い距離でのレースだったことから、高いパフォーマンスを発揮できたものの、約2倍の距離となる決勝レースはやや厳しい展開になることを予想しているという。
そんなモレイラは決勝はトップ8、あるいはトップ6圏内で争うことになるだろう。どんな結果になるか、何が起こるかは誰にも分からないからね。明日の決勝レースははただ楽しもうと思っているよ。まあ、明日の様子を見てみないと何とも言えないけれどね。今年は土曜日にまるで『魔法』のような走りができるんだけど、日曜日においてはミディアムタイヤだと苦戦してしまうんだ。現時点ではミディアムタイヤの感触があまり良くないから、決勝でどうなるかみてみるよ」と語った。
ブラジル人としてはスプリントで初めてポディウムに上がり、自己最高位を更新したモレイラ。プロホンダLCRにとってもスプリントにおいては2度目の表彰台で、2023年に第3戦アメリカズGPで2位表彰台を獲得して以来となった。ルーキーながらも急成長を遂げ、チームに3年ぶりの表彰台をプレゼントした。そんなモレイラを、スプリントで優勝したマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が賞賛した。
「ディオゴは本当に才能あふれるライダーで、僕も彼があらゆるタイプのバイクを乗りこなす姿を目にしてきたんだ。彼がスプリントで初めて表彰台に上がり、その場に立ち会えたことを、とても嬉しく思っているよ」
私生活でも一緒にトレーニングを行う仲というふたり。今回はそんなふたりがスプリントでともにポディウムに上がり、記憶に残るレースとなったに違いない。第16戦日本GPは残すところ決勝レースのみ。果たして期待のルーキー、モレイラはどのような走りを見せるだろうか。




