ミシュランはハイパーカーだけでなくLMGTEアマの全車両にもタイヤを供給しているが、これらのタイヤはプロトタイプカー向けのものとは異なり、昨シーズンから引き継がれている。つまり、予熱禁止を念頭に置いて新たに開発されたものではないということだ。

 GTEアマクラスのポイントリーダーで、33号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)をドライブするベン・キーティングは、今季コールドタイヤでのレースを前提にマシンをセットアップしてきたWECチームにとって、今回のウォーマー再導入は「ダイナミックさを変える」ことになると示唆した。

「(現在のセットアップは)タイヤに熱を伝えるにはとても良いものだが、その場合オーバードライブしたとき、スティント終盤にタイヤを痛める可能性が高くなる」と彼は言う。

「そのダイナミックさが少し失われると思う」

「スパで起きたハイパーカーの事故がその主な原因だろう」

「多くのメーカーが、単純で不必要な事故について不満を述べているが、あのレースでの損害額をすべてを合わせると7桁(ドル/数億円)に上ったのは間違いないとみている」

「しかし、それが(WECが)選んだ方向性であり、我々は皆同じプレイブックに基づいて行動している」

「安全性は第一に考えなければならないと思う。事故が起こるのをただ見ているだけではダメだ。ドライバーをケアし、すべてが安全であることを確認しなければならない。タイヤウォーマーがあったほうが安全なのは明らかであり、それがより安全な選択肢だ」

■ブロンズドライバーにとっては朗報

 スパで優勝したチームWRTのルイ・デレトラズは、ル・マンを走るLMP2ブロンズドライバーは、この変更で恩恵を受けるだろうと考えている。

「ブロンズドライバーにとっては、より安全で簡単なものになるはずだ」と彼は語った。

「僕自身はコールドタイヤが好きなんだけどね。天候が良ければLMP2は大きな問題はなかった。さすがにアウトラップでは3秒から4秒のロスがあったが、これは許容範囲内だ」

「グリップも充分にあり安全だった。しかし、ハイパーカーを捕らえるときは、彼らのアウトラップが遅かったので厄介だった。(ル・マンの)夜中の2時に走らせるのは、あまりいいことではないね」

「冬の間、寒い時期に行ったテストは大変だったので本当に心配していた。しかし、ポルティマオとセブリングは問題なく走れたと思う。スパでは少しトリッキーだったが、さっきも言ったように悪いものではなかった」

「一方でハイパーカーでは良くなかった。問題もあったから、この選択は良い判断だと思う」

“ガレージ59”の特別枠からル・マンに出場するマイク・ロッケンフェラーは、この変更がGTEアマに匹敵するレベルに達すること目指す“NASCARガレージ56プロジェクト”の目標に影響を与える可能性があると指摘した。

ル・マンに挑戦するシボレー・カマロZL1は二日間のテストで1200km以上を走破。これまでのテストの合計走行距離は約1万1000kmに上る
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ミシュランのWEC用タイヤ 2023年WEC第3戦スパ6時間レース
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