残り2周で表彰台圏外に落ちた坪井。序盤から僚友のサッシャ・フェネストラズが2番手を走行し、トムスとしては久しぶりのダブル表彰台という期待が高まっていたが、福住の勢いに屈して4位フィニッシュとなった。
「フリー走行の段階からタイヤがキツいことはわかっていて、それはみんな一緒だと思いますけど、僕自身に関してはかなりヤバい状況だったので、決勝に向けていろいろ変えてきました。それで良い方向だったんですけど、それでも走り出したらヤバいなと感じていました」と坪井。
これにより、坪井はポジションを維持することに重点を置いた。
「とにかく、前にはついていかずに後ろとレースをするというか、後ろが来たら(自分も)前に詰めていく感じで……おそらく、前もそういう感じで走っていたともいます」
「ただ、トレインになってしまうと、僕たちが問題を抱えていた部分が顕著に出てしまったと思うので、なかなか苦しいというか……(前が)もっと速く走ってくれれば、守れたかなと。『してやられたな』という感じでした。あまりにもペースがなかったので、ウエットに関しては課題がすごく残るレースだったかなと思います」
序盤から中盤にかけてはポジションキープに成功していた坪井だが、終盤の福住に関しては為す術がなかったとのこと。「僕はペース的にだいぶ厳しかったので、いつ抜かれてもおかしくない状況でした」と坪井。
「(福住選手の)OTSが少なかったらチャンスがあるかなと思っていたんですけど、簡単に最終コーナーで並ばれてしまったので、あれはどうにもならないくらい差があったのかなという感じです」
終盤はタイヤもかなり苦しかったようで、福住に抜かれた際も「(最終コーナーで)インにつける状況ではなかったので、簡単に並ばれてしまいました。あれだけ差があると、何をしても抑えられない感じはあったのかなと思います。ギリギリまで耐えたけど、ちょっと苦しかったですね」
今回初優勝を飾った岩佐は、ドライバーズランキングでも一気に2番手に躍り出た。首位・坪井との差はわずか5ポイント。次戦、10月の富士2連戦に向けて、”追われる立場”の坪井は改めて気を引き締めていた。

