INGING MOTORSPORT
SUPER FORMULA 2025
SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT
第8戦 スポーツランドSUGO
2025年8月9日(土)
予選
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口 晴南
予選 3番手
#39 大湯 都史樹
予選 12番手
全日本スーパーフォーミュラ選手権は第6戦・第7戦から3週間のインターバルで第8戦を迎えた。早くもシリーズは終盤戦となったが、舞台は宮城県のスポーツランドSUGOだ。今季は第5戦オートポリス以外はすべて1大会2レース制で争われてきたが、今回はひさびさに土曜に公式予選、日曜に決勝レースが行われる1大会1レースとなる。
このスポーツランドSUGOはコース幅も狭く、予選順位が非常に重要となる。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの阪口晴南と大湯都史樹は、8月10日(日)の決勝を優位に進めるべく、予選日に臨んだ。
PRACTICE フリー走行
8月9日(土) 9:00~10:30 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分05秒874/#39 大湯都史樹 1分06秒259
予選日前日の8月8日(金)のスポーツランドSUGOはやや涼しさを感じる天候だったが、迎えた8月9日(土)はこの時季らしい暑さのなか迎えた。午前9時からのフリー走行は、やや雲が多いものの晴天。気温29度/路面温度41度というコンディションのもとフリー走行が始まった。
今回の第8戦で大きな注目ポイントとも言えるのが、今季スポーツランドSUGOの路面が張り替えられているということ。セットアップにも大きく関わることであり、チームは前日から入念に路面の確認を行っていた。
コースオープン直後、大湯の車両にはトラブルが発生し緊急の対応が必要となったが、一方で阪口は3~4周のショートランを繰り返しつつ、セットアップの確認を行っていった。
「新舗装になったので、その確認を行いながら周回していきました。昨年までのデータももちろん参考にはなりますが、路面もタイヤも変わっているにも関わらず、あまりグリップのレベルは上がりませんでしたね」と阪口。終盤にはニュータイヤを履きアタックシミュレーションを行ったが、阪口は1分05秒874というタイムを記録。7番手でフリー走行を終えた。「変な感触はないので、まとめれば予選で面白い戦いができると思っています」と阪口は語った。
一方、大湯はトラブルを対処してセッション開始から26分が経ってからようやくコースイン。大湯はこのSUGOとの相性が良く、本人も「ポールポジションを獲りたい」と期するところが多いなかでのフリー走行となったが、5回のピットアウト~インを経て、最後のアタックシミュレーションでは1分06秒259を記録。13番手で走行を終えた。
「タイヤが変わっていること、路面の変化、温度の変化などありますが、そこにクルマを合わせ込み切れていない感触ですね。また今回、上位の顔ぶれも違うので、いつもと違う風が吹いているのかな、と感じています」と大湯。午後の公式予選に向けては「苦戦はしているものの、セットアップを変えてなんとかQ1は突破したい」と意気込んだ。
ただ大湯が語るとおり、フリー走行の時点で上位陣の顔ぶれはランキング上位とは異なる。気温や路面温度、風向きなど、非常に細かいところで公式予選の順位が変わることも予想された。
QUALIFY 公式予選
8月9日(土) 14:00~14:55 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分05秒775/#39 大湯都史樹 1分06秒088
午前のフリー走行終了から3時間半ほどのインターバルで迎えた第8戦の公式予選は、午後2時から気温31度/路面温度49度というコンディションのもとスタートした。Q1のA組には、まずは大湯都史樹が出走した。
ライバルたちのなかには2回のアタックをこなすドライバーも現れるなか、各車ともチェッカーラップに向けてアタックを展開していった。終了間際には#14 大嶋和也が3コーナーでスピン、ストップするシーンも見られたが、赤旗は出ないままセッションは推移。大湯はここで1分06秒088というタイムを記録し4番手につけ、Q1突破を果たしたものの、本人は「Q1は遅かった」と振り返った。今回のSUGOでは「調子があまり良くない出だしにはなりましたが、僕自身も得意ですし、チャンスだと思っています」というだけに、4番手では不満顔。Q1突破を果たしたことで、大湯はQ2に向けコンディションの良化を見越し、さらなるポジションアップを狙い改良を進めていくことになった。
一方、Q1のB組に出走したのは阪口。途中、#50 小出峻がシケイン立ち上がりでストップしてしまい、赤旗中断となったが、再開後「フリー走行は中団で、そこからセットアップを改良していきましたが、Q1はぜんぜん良くなかったです」という感触ながら、それでも1分06秒117を記録。こちらも4番手につけ、Q2進出を果たすことになった。
SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGはQ2に向けてセットアップを続け、午後2時48分からスタートしたQ2に臨んだ。
ここで2台は大湯、阪口という順番でアタックラップに入っていく。大湯は一部のセクターで苦戦していたが、それを打開しようとプッシュ。チャレンジングな最終コーナーは今週末、完全にアクセル全開で走ることはできていない状況だったが、大湯はQ2のコンディションアップを見越し、全開で最終コーナーにアプローチした。もちろん、ポールポジションを狙いたいがためだ。
ただ、そんな大湯の思いを裏切るかのようにリヤがすべり出してしまう。大湯は懸命にカウンターステアを当てたものの、アウト側のタイヤバリアにクラッシュしてしまった。
直後でアタックしていた阪口は黄旗提示前に最終コーナーを通過することができ、1分05秒775というタイムを記録することに。阪口は今季最上位の3番手につけた。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにとっては阪口の3番手の一方で、大湯のクラッシュと悲喜こもごもの公式予選となった。
ただ、そのクラッシュも限界まで攻めたがゆえ。決して責めるべきものではない。チームは12番手となった大湯車をしっかりと修復し後方からの追い上げを、そして阪口は3番手からの勝利を目指し、8月10日(日)の決勝を戦う。
COMMENTS
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「大湯選手のクラッシュは残念でした。明日一緒にレース出られるよう願っています。僕はフリー走行ではポールポジション争いができる印象はなくて、公式予選でもQ1ではあまり良い印象はありませんでした。ただ、Q2に向けてチームがクルマを良くしてくれたので、気持ち良くアタックすることができました。ひさびさにトップ3に入ることができて良かったです」
「明日の決勝レースは雨の予報が出ていますが、昨年は自分もクラッシュしてしまいましたし、レースも中断してしまいました。僕としては最後までしっかりレースを戦いたいと思いますし、3番手と好位置からレースができるので、最後まで戦い、良いレースにできればと思っています」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「予選でのクラッシュは首に負担がかかりましたが、怪我はありません。最終コーナーは本来全開でいってはいけないところではありますが、全開でいったらリヤが出てコントロール不可能になった結果です。セクター2~3あたりでタイヤのパフォーマンスが落ちていた可能性もありますし、グリップが上がっていればうまくいったかもしれませんでしたが。僕としては今回、得意コースでもあるのでポールしか見ていませんでしたし、攻めにいった結果でした」
「決勝での追い上げを目指したいですが、明日は雨の予報もあるので……。視界が悪くなりますし、なかなかオーバーテイクができなくなってしまいます。だからこそ予選にかけていたところはあるんですけどね」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「阪口選手はQ1の時点ではあまりフィーリングが良くなかったようで、タイムも伸び悩みましたが、Q2に向けてアジャストしたことが功を奏し、良いアタックをみせてくれました。明日は雨の天気予報もあるので状況は変わってしまうかもしれませんが、トップを狙える位置でもあるので、しっかりと戦えるよう準備していきたいと思います」
「大湯選手についてはQ1で良くなりましたが、Q2ではポールポジションを獲るつもりでアタックにいったと思います。残念ながら最終コーナーでクラッシュしてしまいましたが、ドライバーに怪我がなかったのが良かったですし、しっかりとクルマを直して、明日は追い上げられるようにしたいです。応援よろしくお願いします!」

