SUPER FORMULA 2025
SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT
第10戦/第12戦 鈴鹿サーキット
2025年11月23日(日)
決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口晴南
第10戦:11位 第12戦:7位
#39 大湯都史樹
第10戦:8位 第12戦:リタイア
2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、11月22日(土)に行われた公式予選、そして第11戦の決勝レースを経て、いよいよ今季のラストとなる第10戦/第12戦の決勝日を迎えた。一日に決勝2レースという変則的なスケジュールで、ふたつのレースの間のインターバルもそれほど長いわけではない。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにとってもチャレンジングな一日だが、阪口晴南、大湯都史樹のふたりは苦戦を強いられた第11戦からの逆襲を目指すべく、3万6000人という多くのファンが訪れた11月23日(日)に臨んだ。
QUALIFY 公式予選
11月22日(土) 10:05~10:47 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分36秒674/#39 大湯都史樹 1分37秒014
1大会3レースというスケジュールで行われているこの週末は、11月23日(日)午後の第12戦の公式予選を11月22日(土)に行った。
SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、午前10時05分からスタートした公式予選Q1のA組に大湯が出走した。第10戦の公式予選でもQ2進出はならず、走行初日から苦戦を強いられていた大湯だが、第11戦の公式予選からのインターバルも短く、大きな修正ができたわけではなかった。1分37秒014というタイムを記録するも、結果は7番手。この第12戦でもQ2進出はならず、グリッドは13番手となった。
「ずっといっぱいいっぱいで走っている状況ですし、ドライビングでコンマ1秒を上げるのは至難の業です。トップとは1秒近く差があったので、深刻ですね」と大湯。
続くQ1のB組に出走したのは阪口。「第11戦では思わぬ落とし穴にはまってしまっていましたが、その点は1時間ほどしかなかったものの、修正することができました。チーム力の向上を感じることができました」と1分36秒984を記録。ギリギリでQ2進出を果たす6番手につけることに成功した。
午前10時40分からスタートした公式予選Q2は、SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGからは阪口が出走。3周目に1分36秒674を記録。10番手につけることになった。
第11戦の公式予選では、2台がともにQ2進出はならず、悔しい公式予選となったSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGだが、走行初日から続く苦境からは少しずつ脱却しつつあることを感じさせた第12戦の公式予選となった。
ROUND.10 第10戦決勝
11月23日(日) 09:50~10:26 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分40秒964(3L)/#39 大湯都史樹 1分40秒598(3L)
公式予選、第11戦の決勝レースから一夜明けた11月23日(日)、鈴鹿サーキットは朝から快晴に恵まれた。午前9時50分からスタートした第10戦の決勝は、気温16度/路面温度20度というコンディションで迎えた。
この第10戦決勝は、10月12日(日)に富士スピードウェイで濃霧のため中止となったレースの順延として開催されるもの。グリッドは富士で行われた公式予選の結果が採用されており、大湯は8番手から、阪口は11番手からスタートすることになった。
そんな第10戦のスタート前には、阪口車にエンジントラブルが発生していたものの、グリッド上でメカニックたちが対応。阪口はフォーメーションラップに出ることができた。
迎えたスタートでは、大湯、阪口とも好発進をみせるものの、阪口はスタート直後のポジションどりのなかでひとつ順位を落とすことに。大湯は8番手、阪口は12番手でオープニングラップを終えることになった。
前日の第11戦では、序盤ポイント圏内を守っていたものの、レース後半に少しずつポジションを落としてしまっていた大湯だが、チームが前夜から取り組んできた対策が功を奏したか、序盤#8 福住仁嶺の攻勢をしのぐと、7番手の#1 坪井翔を追いながらレースを進めていった。
一方の阪口は、#28 小高一斗を追っていく序盤戦。後方からは#50 小出峻が迫ってくるなか、4周目にAstemoシケインからメインストレートにかけて、#28 小高、#50 小出とスリーワイドのバトルを展開。この戦いを制した阪口が11番手に浮上することになった。
レース中盤、8番手の大湯は#1 坪井を、11番手の阪口は#14 大嶋を激しく追いながら僅差の戦いを続けていくことになった。
この第10戦は短い19周というレース距離、またタイヤ交換がないことから、コース上でのバトルがすべてとなったが、大湯、阪口ともひとつ前のポジションをうかがうものの、オーバーテイクができる決め手がないままレース終盤を迎えていくことになった。
結果的に19周の決勝レースはセーフティカーランの出動等もなく、スピード勝負で決した。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台は、大湯は#1 坪井、#8福住との膠着したバトルのまま8位でフィニッシュ。ポイント獲得を果たした。一方の阪口は、レース後半#12 三宅淳詞に迫られる展開になったものの、ポジションを守り切り11位に。惜しくも入賞圏内には届かなかった。
表彰台争いに迫るような圧倒的なペースが見出せたわけではないが、それでも上位での戦いのなかで最後までペースを保つことができ、第11戦までの不調から脱するきっかけはできた。午後の第12戦に繋がる第10戦となった。
ROUND.12 第12戦決勝
11月23日(日) 14:30~15:31 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分40秒814(13L)/#39 大湯都史樹 1分41秒519(5L)
第10戦の決勝レースから、約3時間半のインターバルで迎えた第12戦の決勝。いよいよ今シーズンのラストレースだ。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、阪口が10番手、大湯が13番手からスタートした。
気温17度/路面温度28度というコンディションのもと、午後2時30分から始まった第12戦は、阪口、大湯ともに事前にひとつの目標を語っていたレース。それは、Kids com Team KCMGの#7 小林可夢偉、#8 福住仁嶺の2台の前でゴールするということ。チームランキングでSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGはKids com Team KCMGと僅差の争いを繰り広げており、ランキング5位がかかっていた。チームランキングは、翌年のピット位置にも関わってくる。阪口、大湯ともに1ポイントでも多い得点を獲得することを目指した。
そんなレースだが、スタートでは大湯が13番手をキープしたものの、ここまで2レースでスタートをしっかり決めていた阪口はわずかに遅れ、16番手につけることになった。
今回の第12戦は、ファイナルラップまでの間に1回のピットストップを行わなければならないが、大湯は序盤、#37 サッシャ・フェネストラズと1コーナーで激しい競り合いをみせ、わずかに接触しコースアウトするシーンも。この接触の影響も考慮し、まず大湯は2周でピットインし、アンダーカットを狙う作戦で追い上げを期した。
大湯は早めにピットインを行った組のなかでも好位置につけレース中盤を迎えていくことになったが、そんな大湯にまさかの展開が訪れた。10周目、Astemoシケインで後方から迫ってきた#29 野中誠太が並びかけてきた。大湯もディフェンスをみせたが、立ち上がりで2台は接触。#29 野中の車両が乗り上げてきてしまった。
これで大湯の今季最終戦はリタイアという結果となってしまい、レースはセーフティカーランとなった。
逆に、このタイミングを活かしピットインを行ったのが阪口。15周目のリスタート後、阪口は好ペースで戦い17周目に#50 小出峻をかわすと、22周目には#1 坪井翔もオーバーテイク。6番手を走る#8 福住を追っていった。
ただ、レース終盤なかなか阪口と#8 福住のギャップは縮まることはなく、阪口は7位でフィニッシュし今シーズン最終戦を終えることになった。
この結果、2025年のランキングでは、阪口は10位、大湯は12位で終えることになった。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、チームランキングで6位という結果となった。
2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、これですべてのレースを終え、オフシーズンを迎える。チームは2026年、さらなる上位を目指していく。
COMMENTS
ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「第10戦はペースも厳しく、追い上げることもできず悔しいレースになりました。スタートは良かったのに、場所取りも悪く順位を上げられず、うまくいかないレースになってしまいましたね。第12戦はスタートの自信はあったのに、大きく遅れてしまって。ただセーフティカーのタイミングでのピットインで良い位置に送り出してくれました」
「レース後半は自分でも驚くくらい良いペースがあり、何台もオーバーテイクできたので、今季いちばん良いスティントになったと思います。最終的に福住選手をとらえられなかったのは悔しいですが、クルマがすごく元気に走ってくれたのでチームの皆さんに感謝しています。充実した一年の締めくくりになりました」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「第10戦は前日よりも良くなっていましたし、ニュータイヤを履いていた恩恵もあったと思いますが、戦える感触があったのは良かったです。ただ第12戦は悔しいレースになってしまいました。レースなので接触は仕方ないですが、リタイアでデータが残らなかったことが残念です。また接触がなければそこそこの位置にいけた自信はありました」
「今季は予選が良くても、決勝が苦しい展開が多かったですが、今日はそうではないレースができたのはポジティブなところです。ふたつのレースで、チームにとっても少し良い兆しが見えたと思いますし、テストでよりブラッシュアップして、新たなアイデアを出すことができれば、さらに良いものにできると思います」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「第10戦では、レース前のレコノサンスラップで阪口選手の車両にエンジントラブルがありましたが、グリッドでメカニックがしっかり対応してくれたおかげで第12戦の追い上げにつながったと思います。その第12戦ではスタートで順位を下げてしまったものの、ハイペースで挽回できたのが良かったですね」
「大湯選手は第10戦で入賞できましたが、第12戦でも早めのピットで追い上げる作戦だったものの、バトルのなか接触でリタイアになってしまったのは残念でした。今季、チームとして団結力も上がりましたが、勝つためにはまだ足りない部分があったので、来季に向けさらに力をつけていきたいと思います。一年間応援いただきありがとうございました」



