異例の3連戦となった最終鈴鹿大会
サッシャ・フェネストラズは第11戦で8位獲得
連覇を目指した坪井翔は年間ランキング2位で終わる
瑶子女王杯2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦・11・12『第24回JAF鈴鹿グランプリ』が11月22日(土)・23日(日)に鈴鹿サーキットで行われた。
濃霧によりキャンセルとなった第10戦の決勝が今大会で代替開催され、2日間で3レースを行う異例のスケジュールでVANTELIN TEAM TOM’Sの2台が奮闘。2年連続でのドライバーズチャンピオンをかけて今大会に臨んだ坪井翔は、手強いライバルに果敢に挑むも、年間ランキング2位で今シーズンを終えた。サッシャ・フェネストラズは第11戦での8位入賞が週末の最上位となった。
■第11戦・第12戦予選
通常は、土日の各日で予選と決勝を行うが、今回は土曜日に第11戦と第12戦の予選を行った。8時から始まった第11戦予選では、フェネストラズが速さをみせ、Q1Aグループを5番手で通過すると、Q2ではトヨタエンジン搭載車両のなかで最速となる1分36秒260を記録し、6番手を獲得。第12戦の予選でもQ2進出を果たし9番手を手にした。
一方の坪井は、第11戦で9番手、第12戦では7番手からのスタートとなり決勝での追い上げを目指す。
■第11戦決勝
フォーメーションラップ中にマシントラブルによりストップした車両が発生し、その回収作業が行われたため、当初の周回数から1周減算された26周で争われた第11戦決勝。坪井はスタート時の混乱に乗じて3つポジションを上げた。
9周目にはこのレース2回目のセーフティカーが導入され、ピットウインドウが開いた10周目に全車一斉にピットイン。ピット作業が勝敗を分ける展開となるなか、迅速な作業で4番手に浮上。そのままチェッカーを受けた。
6番グリッドからスタートしたフェネストラズは、スタートでの出遅れが響き、一時ポイント圏外に下がったが、後半に追い上げて8位入賞を果たした。
■第10戦決勝
10月の富士大会で濃霧によりキャンセルとなった第10戦の代替戦。ピットストップの義務がない19周で争われた。グリッドは10月に実施した予選結果に基づき、坪井は7番手からスタート。なんとかポジションアップを試みたが、ライバルのペースも良く、そのままの順位でフィニッシュ。ランキング首位を維持して最終戦に臨む。
18番グリッドのフェネストラズは、後方でのレースを強いられたが、そのなかでもポジションをひとつ上げて17位でフィニッシュした。
■第12戦決勝
4人がチャンピオン獲得の権利を有した状態で迎えた今季の最終戦(31周)では、坪井が好スタートを決めてライバルを追い抜こうとするも、2コーナーで行き場を失いコースオフし順位を下げる。いつもはレース後半にピットインすることが多いが、今回は戦略を変えて2周目にピットイン。アウトラップでライバルに迫られるも、オーバーテイクを阻止。その後も上位進出の可能性を探っていったが、最終的に8位でレースを終え、2連覇は叶わなかった。
一方のフェネストラズは、第11戦同様にスタートが決まらず、序盤にポジションダウン。12位で今シーズン最終戦を終了した。
●坪井翔
「第11戦では、展開に恵まれてポジションを上げてゴールできましたが、チャンピオン争いという点では首の皮一枚という状態でした」
「第12戦は上位のライバルと比べてペースが足りないのはわかっていたので、逆に僕たちが先にピットインしてレース展開を動かしていくことで、チャンスが出てくればと考えていましたが、途中のセーフティカー導入で、その目論みも崩れました。今シーズンは苦しいなかでも、バトルで凌げる場面もみせることができて、そういった点は1年で成長した部分かと思います」
●サッシャ・フェネストラズ
「第11戦の予選ではトヨタ勢トップの順位を獲れたのは良かった。だけど、スタートでの出遅れが今週末の一番大きな問題だった。それで第11戦もポジションを下げることになったし、最後の第12戦もスタートが良くなかった。シーズンを通して抱えていた問題で、それを解決するためにチームと試行錯誤してきた」
「今回もいろいろな手を使ったけど、うまくいかなかった。予選ポジションが良かっただけに、多くのポイントを逃す結果になったのは残念だ」
●舘信秀 監督
「今回の坪井はライバルと比べてペースが足りませんでした。我々としても何かやらないといけないことがあるということでしょう。第11戦の結果が予想以上に良かったので期待を持ったところがありましたが、実力で負けていました。サッシャもシーズンを通して頑張ってくれて、第9戦では優勝も果たしてくれました」
「来年は、ダブルタイトルを目指していきたいです。“勝って奢らず、負けて腐らず”の信念で来年も勝利を目指します。スポンサーの皆さま、1年間たくさんのご支援をいただき感謝いたします。来シーズンも引き続き、よろしくお願いいたします」

