Round9でサッシャ・フェネストラズが優勝。
坪井翔も2位に入り、TEAM TOM’Sがスーパーフォーミュラで10年ぶりの決勝1-2位達成。
Round10は濃霧の影響で決勝は中止となる。
2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権Round9・Round10が10月11日(土)・12日(日)に富士スピードウェイで行われた。雨のなかで行われたRound9はセーフティカーの先導でレース開始を試みたが、天候の回復が見込めず二度にわたって中断。結局、12周で途中終了となり、ハーフポイントでサッシャ・フェネストラズが優勝。坪井翔が2位に入り、スーパーフォーミュラにおいてTOM’Sとしては10年ぶりのワン・ツー・フィニッシュを飾った。Round10は濃霧により、決勝は中止となった。
坪井翔
Rd.9 予選2番手 決勝2位
Rd.10 予選7番手 決勝中止
サッシャ・フェネストラズ
Rd.9 予選1番手 決勝1位
Rd.10 予選18番手 決勝中止
Rd.9 予選
約2カ月のインターバルを経て開催された今季2度目の富士大会。金曜日のフリー走行はドライコンディションだったが、土曜日は朝から雨模様となり、ウエットコンディションでの予選となった。前戦で2位を獲得したフェネストラズは、Q1Aグループを3番手で通過すると、Q2でも徐々にペースを上げていた。
終盤にアクシデントが発生して途中終了となったが、1分33秒967で自身初のポールポジションを獲得した。ランキング首位の坪井もQ1Bグループをトップで通過し、Q2で2番手を獲得。TOM’Sの2台が最前列を独占した。
Rd.9 決勝
36周で争われる決勝もウエットコンディションで始まった。天候を考慮して、セーフティカーの先導のもとスタートを切ったが、雨量が徐々に多くなり、6周目には赤旗が出され、レースは中断された。
およそ30分の中断を経て、セーフティカーの先導でレースは再開するが状況は好転せず、再び赤旗中断。天候の回復が見込めないことから、レースは途中終了になることが決まった。これにより、フェネストラズが今季初優勝を飾る。坪井が2位に入り、TOM’Sとしては2015年の開幕戦(アンドレ・ロッテラー、中嶋一貴)以来、約10年ぶりの決勝ワン・ツー・フィニッシュを飾った。
Rd.10 予選
前日の雨は止んだが、コースの一部に水たまりが残っているなかでRound10の予選が始まった。Q1Aグループから出走したフェネストラズは、前日に優勝した流れを活かしたいところだったが、タイヤを温めている最中に水たまりに乗ってスピン。さらにタイムアタック中にもミスがあり、大きくタイムロスし、9位敗退となった。
一方の坪井はQ1Bグループを2番手で通過し、Q2でも上位を狙える気配があった。しかし、ライバルも手強く次々とタイムを更新。坪井は渾身の走りでトヨタエンジンユーザー最上位につけ、7番手で予選を終えた。
Rd.10 決勝
14時05分から決勝レースに向けたコースインが始まる予定だったが、直前になって突然サーキット全体が濃い霧に覆われた。状況の回復を待って、スタート時刻を遅らせる措置がとられたが、この日は湿度が高かったことに加えて、風がほとんどなかったことも影響して霧が晴れることはなく、15時35分に決勝レースの中止が発表された。
これにより、坪井はランキング首位を維持したまま、2年連続ドライバーズチャンピオンをかけて最終の鈴鹿大会に臨む。また、Round9で2台がポイントを稼いだことでチームランキングも2位に浮上した。
●坪井翔
「Round9に関しては、できればレースをしてフルポイントが欲しかったですが、安全上の問題ですし、後ろの方は視界が良くなかったと思うので仕方がない判断だったと思います。Round10の予選は持てる力を全て出しましたが、ライバルが手強かった。次戦もそう簡単にはいかないかもしれませんが、昨年は2戦連続で2位を獲得しているので、チャンスを見出していきたいです」
●サッシャ・フェネストラズ
「7月の富士大会の日曜にセットアップの方向性を変えてから、とても乗りやすく、良い方向に解決できたと感じています。今までは1号車(坪井)との差がありましたが、それも近づいてきています。予選が良い結果に終わったこともあり、実力を感じることができました。このようにトップに戻れたことを本当に嬉しく思っています。最近、家族の一人が亡くなったので、今回の優勝はその人に捧げたいです」
●監督 舘信秀
「決勝でワン・ツー・フィニッシュというのは本当に久しぶりで、最近の我々にとっては夢のような結果です。37号車が苦労していた時期もありましたが、やはり同じチームで2台を走らせている以上は、両方とも同じような位置にいてほしいという思いがあるので、Round9の結果は大変良かったです。Round10の中止は残念ですが、これだけの濃霧だと仕方がありません。次戦の鈴鹿大会でチャンピオンを目指して、しっかりと戦っていきたいと思います。次戦もたくさんの応援をよろしくお願いいたします」


