2025年8月12日
Triple Tree Racing

Juju、テクニカルサーキットSUGOで悔し涙をのむ

~フリー走行開始早々フロア損傷に苦闘した土曜日~
~スピンから自力で復帰し完走した日曜日~

 2025年8月10日(日)に全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦東北大会決勝が宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、HAZAMA ANDO Triple Tree RacingのJujuは、19番手からスタートし、20番手でチェッカーを受けました。

 SF参戦2年目、新規チームでの挑戦1年目となるJujuは、前戦の富士大会で大きな手ごたえを掴みました。舞台を移した第8戦は、今年コースアスファルト全面改修が施された全長3.621km、高低差に富むテクニカルなSUGOサーキット。チームは「どこまで攻めたセッティングができるか」を焦点に、9日(土)午前のフリー走行メニューを組み立てましたが、セッション開始早々セッティングを進めるうえで重要となるフロアが壊れてしまったことで、90分のセッションがほぼ意味をなさないものとなってしまいました。

 同日午後の予選では、フリー走行でセットが詰め切れなかったため、ある程度の仮定のもとにマシンにアジャストを施しBグループで出走。アタックラップに入ろうというところで赤旗によりセッションは中断。残り4分で再度コースインしてアタックに挑み、Jujuは1分07秒671を記録。決勝は19番グリッドからスタートすることになりました。

 翌10日(日)の決勝日は、前日の暑さと青空から一転、朝から霧雨模様。9時30分開始の30分間のフリー走行では限られた時間の中でスタート練習やセッティングの確認などを行い、決勝に向けた最終調整を実施。

 午後になっても菅生上空は雨雲に覆われ、決勝レースはセーフティカー(SC)スタートに。6周目にリスタートが切られましたが、10周目にコースアウトしたマシンがあり、ふたたびSCが導入。この時点でJujuからは「タイヤが両方ともタレてきている」と無線が入ります。走り出し直後は前の車と戦えるだけのペースがあると感じられたものの、2周程で急激にペースが落ちてしまい、Jujuは防戦一方のレースを強いられていました。

 15周目のリスタート後、Jujuは前後のライバルとバトルを繰り広げながら周回を重ねますが、19周目、3台で連なり1コーナーに進入した際にスピンを喫し、エンジンがストップ。「ごめん」と無線を送るJujuに、監督からは「なんとか自力でスタートできないか」と指示が飛びます。JujuはSUGOの地形にも助けられ、下り坂をうまく利用し、自力でエンジンを再始動してレース復帰に成功。

 すでにタイヤに充分なグリップがないと痛感していたJujuは、スピンでタイムを失ったこともありタイヤ交換を希望。監督と何往復かのやりとりを重ねるなか、コースオフによるクラッシュ車両発生でふたたびSCが導入され、このタイミングでピットインし、内圧を調整したタイヤに交換を行いました。

 しかしタイヤ交換後も2周ほどでふたたび大幅なペースダウンに見舞われ、Jujuは以降、タイヤを労わりながらの走行に専念することに。それでもミスなく周回を重ねるなか、レースの残り周回数がひと桁となる39周目に監督から「セクター1、2はいいが、セクター3、4が遅い。とくにセクター4をもう少し上げられるよう工夫してみようか」と無線が入ります。

 監督からの言葉を受け止めたJujuは40周目にセクター3と4で合わせて約1秒短縮してみせ、さらに41周目にはそのラップでの全車を含めた全体ベストを叩き出す渾身のドライビングを披露。しかしペースを上げるとタイヤがオーバーヒートしてふたたびペースダウンするというジレンマを繰り返すことに。

 以降のJujuはさらにフラストレーションを抱えながら周回を重ね、規定により75分で終了したレースで47周を走り切り20番手でチェッカーを受け、路面改修後のテクニカルコースSUGOでの経験値を積み上げた週末となりました。

ドライバー Jujuのコメント

「今日が雨のレースになるのは予報でわかっていたので、コンディション自体は問題ではなかったと思いますが、何しろペースがなさすぎました。スタート直後は自分の前後のマシンと戦えるペースで走れていたのですが、2周もするとタイムの落ち幅が大きく、ドンと落ちてしまった症状に苦しみました。現時点で確かな原因はわかっていません。内圧が関係しているのではと思うのですが、内圧だけで、あれ程大きくペースが落ちることはないと思うので、この後、エンジニアと一緒に分析をして、原因をみつけなければいけません」

「端から見たら、バトルをしているように見える場面もあったと思いますが、まったくペースがなかったので、正直抑えるだけで精一杯でした。アクセルを踏まなければ抜かれるけど、踏んだらいつ車が飛んでいくかわからない、という感じのなかでの厳しいレースでした。結果的にスピンして、エンジンがとまってしまいましたが、下り坂だったこともあり、自力でエンジン始動させられて、レースに復帰できました」

「タイヤ交換後、SCで走った周回も多かったのですが、リスタート直後の1周はタイムも出せていました。でもその後またドンと落ちてしまい、タイヤを変えても症状は変わりませんでした。次の富士に向けて、原因を特定することが急務です」

監督 野田英樹のコメント

「先月の富士から良い流れになった兆しがあり、良い雰囲気でSUGO戦を迎えられたと思いますが、チームのケアレスミスもありフリー走行序盤でフロアに大きなダメージを負ってしまいました。今大会についてはそれがすべてかな、と思います。そのために、フリー走行ではセットを詰めることもできない、データを取ることもできない、ペースを上げることもできない、と何もできない状態のなかで、予選に向けて想像ベースでセッティングするしかなく、予選の一発のセットを詰めることはできませんでした。結局レースセットについてもよろしくなく、スタート直後にペースがあっても、すぐにタイヤがダメになってしまうという状態で、朝のフリー走行から、そのあたりを見越したセットにすることもできなかったわけです」

「また、タイヤ交換についても、練習も本番も、まだまだタイムが詰められることがみてとれます。富士で前進したと、良い雰囲気になりましたが、今回のSUGOではちょっと後退してしまった感があります。同じことを繰り返していては仕方ありません。笑顔で仕事ができることは大切ですが、結果を出せないとただの仲良しクラブになってしまうので、ひとりひとりに意識改革を求めます。それができてその先に、チームとして本当の笑顔を手にすることができるはずです」

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