S-GT2026 rd3 Motegi
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa LC500 GT
予選6位から上位進出を狙ったが、決勝レースではコンディション変化や
スタート直後の混乱もあり、15位で1ポイントを追加するのみに終わった
<気象データ>
気温:15℃、路面温度:18℃(予選開始時)
気温:19℃、路面温度:22℃(決勝レーススタート時)
<プロローグ、予選>
2026年のAUTOBACS SUPER GTは、今シーズンも全8戦のシリーズとして競われる予定だった。しかし、第3戦として開催予定だったマレーシア大会が中東情勢の影響によって延期。当初は代替戦の予定がなかったものの、8月に最終戦のモビリティリゾートもてぎでダブルヘッダーを開催し、土曜日に第3戦の代替戦を実施することが発表された。これにより、シーズンを締めくくる最終大会は第3戦と第8戦の連戦となり、11月6日(金)に専有走行、7日(土)に第3戦の予選と決勝レース、8日(日)に第8戦の予選と決勝レースが実施される。両大会とも予選は全車が一斉に走行するセッションとなり、決勝レースはSUPER GTとしては短距離となる250kmで競われる。
通常、レースウイークの始まりは公式練習となるが、今回は車検前のため、6日の走行は専有走行として実施された。
前戦のオートポリスでは予選5番手と速さを示したSyntium LMcorsa LC500 GTだったが、決勝レースでは車両トラブルによって最後まで走り切ることができなかった。それでもドライバーズランキングは12位につけており、ライバル勢の結果次第ではシリーズチャンピオンを狙える位置で最後の2連戦に挑んだ。
専有走行が行なわれた6日は朝から快晴となり、11月ながら最高気温が25℃に迫るほどの暖かさとなった。走行は9時30分から11時までの1時間30分にわたって実施された。まず吉本大樹選手がLC500 GTに乗り込み、持ち込んだセットアップと装着するダンロップタイヤのマッチングを確認。11周目には1分47秒544のベストタイムを記録し、GT300クラス29台中5番手につけた。その後も2回のピットインを挟みながら走行を続け、19周を終えたところで河野駿佑選手にドライバー交代。セッション終盤にはGT300クラスの専有走行が設けられたが、チームは決勝レースを想定したテストを継続した。
ふたりのドライバーで合計36周を走行し、吉本選手が記録した1分47秒544によってGT300クラスの5番手で専有走行を終えた。
翌7日は、第3戦の予選と決勝レースがワンデイで開催された。9時から始まった予選では、28台のマシンが一斉に走行し、20分間のセッションでポールポジションが争われた。チームは吉本選手を予選アタッカーに指名。前日より気温は低かったものの、朝から青空が広がる好天のなか、予選開始から7分が経過したところでLC500 GTがコースイン。吉本選手はアウトラップから計測4周目までじっくりとタイヤをウォームアップし、5周目にタイムアタックを開始する。十分なグリップを引き出すとともにミスなく1周をまとめ、1分46秒162をマーク。タイムを記録した時点ではGT300クラス28台中5番手につけていたが、チェッカー直前に1台に上回られ、最終的には6番手となった。それでも3列目のスターティンググリッドを獲得し、午後に行なわれる250kmの決勝レースに挑んだ。
<決勝レース>
予選終了から約2時間後の12時30分には、20分間のウォームアップ走行が実施された。まず吉本選手がユーズドタイヤで5周を走行し、好タイムを記録。残り7分で河野選手に交代して5周を重ね、決勝レース前の最終確認を行なった。結果はGT300クラス3番手となり、上位進出への期待が高まった。
14時にGT500クラス14台とGT300クラス28台がグリッドを離れ、フォーメーションラップが始まる。2周のウォームアップ後にローリングスタートによって250kmの決勝レースが始まった。
しかし、GT300クラス5番手からスタートした31号車が加速せず、後方の吉本選手は追い抜きによるペナルティを避けるためにアクセルを戻さざるを得なかった。その間に後続のマシンが次々と先行し、コントロールラインから1コーナーまでに大きく順位を落としてしまう。さらに3コーナーでは31号車と777号車がクラッシュし、7号車も巻き込まれて3台がリタイアするアクシデントが発生。周囲のマシンも回避行動を取るなか、吉本選手は混乱を切り抜けて7番手まで順位を戻した。直後にセーフティカーが導入され、荒れたスタートとなった。
7周目にレースが再開されると、吉本選手は9周目に1分48秒494の自己ベストタイムを記録。しかし翌周には26号車Zにパスされ、さらに日差しによる路面温度の上昇とともにタイヤのグリップが急激に低下。12周目と15周目に計3台に先行され、11番手まで後退した。16周目以降はドライバー交代のためにピットへ向かうマシンが現れ始めた。ペースが低下する状況のためチームは19周目にピットインを指示。タイヤのグリップは落ちていたものの、路面温度が下がれば機能すると判断し、ピット作業時間を短縮するために2本のみを交換する戦略を選択した。
河野選手にドライバー交代すると、20番手でコースへ復帰。しかし、ライバル勢にアンダーカットされており、実質的にはポイント圏内の15番手を争う厳しい状況となった。河野選手はミスなく周回を重ね、25周目に18番手、33周目には17番手へ浮上。全車が規定のピットストップを終えると16番手となった。終盤はポイントリーダーの56号車GT-Rとの攻防が続き、約10周にわたって抑え込んだものの、最後は追突を受けて先行を許した。
最後は、56号車との間にGT500クラスの優勝マシンが入り、LC500 GTは49周目に1周遅れの16位でチェッカーを受けた。しかし、正式結果では56号車に接触によるペナルティが科され、さらに上位車両がレース後の車検で失格となったことで、LMcorsaは15位に繰り上がりポイントを獲得した。
<吉本大樹選手>
「予選ではタイヤがしっかりとグリップし、想定よりも上位の6位を獲得できました。タイヤは2種類の選択肢がありましたが、決勝レースも考えて硬めのタイプを選びました。ウォームアップ走行でもユーズドタイヤながら上位のタイムで走れたので、決勝レースでは好結果を期待していました。しかし、スタートで前のマシンが加速せず、混乱によってポジションを落としてしまいました」
「リスタート後は良いペースで走れていましたが、すぐにグリップが低下し、順位を落としたことが最後まで響きました。ウォームアップ走行の感触からは表彰台の可能性も感じていただけに、残念な内容の決勝レースでした。明日は少し気温が下がる予報なので、コンディションが合うことを願っています」
<河野駿佑選手>
「予選は吉本選手のおかげで上位グリッドを獲得できました。決勝レースでは前半からタイヤが厳しそうだったので、日差しが強まると苦しくなることは想定していました。ミスなく走り続けたものの、グリップが低下する場面もあり、前のマシンを抜くほどのポテンシャルはありませんでした」
「最後はGT500クラスの優勝マシンに周回遅れにされ、1周遅れでチェッカーを受けました。56号車にペナルティがあったので、同一周回であれば逆転できた可能性もあり、残念です。明日もおそらく似た戦略になると思いますが、コンディションのわずかな違いで状況が好転することもあります。最終戦なので、チームに追い風が吹くことを期待しています」
