7番手から上位進出が期待されたが、想定外のタイヤトラブルで順位を落としてポイント圏内でのチェッカーを逃す

<気象データ>
気温:24℃、路面温度:43℃(スタート時)

 ゴールデンウイーク恒例のビッグイベント、AUTOBACS SUPER GT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』の決勝レースが、静岡県の富士スピードウェイで開催された。予選後の3日(日)夜からは雨が降り始め、深夜には暴風が吹き荒れる荒天となった。しかし、決勝日となる4日(月)は朝には雨が上がり、日中は日差しが戻ってレース観戦には打って付けの天候となる。

 午前中には併催カテゴリーの決勝レースが行われ、その後にはピットウォークやドライバーアピアランスが実施されるなど、詰めかけたファンによって終日にわたって賑わいを見せた。

 富士スピードウェイを得意とするLM corsaは、前日の予選では河野駿佑選手が担当したQ1でB組トップタイムをマークし、LC500 GTでも相性の良さを実証した。予選Q2ではアタックをまとめ切れない部分があったものの、それでも7位を獲得して4列目のスターティンググリッドを獲得。上位争いを狙える位置につけており、決勝レースでは好走が期待される状況となった。

 決勝レース前のウォームアップは12時30分から20分間にわたって実施された。まずは河野選手がLC500 GTのステアリングを握り6周を走行すると、その後は吉本大樹選手へと交代して最終チェックを行なう。合計11周を走行し、ベストタイムはGT300クラス29台中4番手を記録。決勝に向けて順調な仕上がりを示した。

 今回の決勝レースは3時間のタイムレースで、通常の300kmレースと比較して約1.5倍の距離を走行する長丁場となる。レギュレーションでは2回の給油を伴うピットインが義務付けられており、レースは3スティントで争われることになる。戦略の自由度が高く、ドライバーやマシンの速さに加えて、チームとしての総合力が問われる一戦となった。

 3時間の決勝レースは予定どおり14時に静岡県警によるパレードラップで始まり、14時07分にローリングスタートによって口火が切られた。LM corsaは河野選手をスタートドライバーに指名し7番手から上位進出を狙ったものの、オープニングラップの混乱の中で、666号車PORSCHE GT3R EVOに後方から接触される。このアクシデントにより4台に先行を許し、1周目を10番手で通過。その後も上位争いの集団の中でバトルが続くが、LC500 GTの持ち味である高速コーナーでのスピードを活かせず、ポジションを守る展開となった。

 8周目、9周目と立て続けにポジションを落とし、12番手に後退。さらに14周目、15周目にも複数台に先行を許し、ポイント圏外の16番手まで順位を下げた。ライバル勢に比べると特にセクター3の低速コーナー区間で遅れが目立ち、コーナリング性能とトラクションに課題を抱えていた。防戦一方となるなか、26周目にタイヤの空気圧低下を知らせるアラートが発生。コース中盤までは走行を続けたが、ダンロップコーナー付近で空気圧がゼロとなり、車両へのダメージを避けるためスロー走行でピットへ戻ることとなった。

 緊急のピットインとなったが、メカニックは迅速な対応で4本のタイヤ交換と給油を実施し、LC500 GTをコースへ復帰させる。本来は第2スティントで吉本選手へ交代する予定だったが、ピットインのタイミングが早まったことで河野選手がダブルスティントを担当することとなった。ほぼ最後尾となる28番手でレースに復帰すると、慎重に周回を重ねていく。

 しかし状況は第1スティントと変わらず、特にセクター3でのロスタイムが大きく、ポジションを上げることができない。43周目に各車が1回目のピットストップを終えた時点で、順位は22番手となっていた。レギュレーションにより1人のドライバーの連続走行時間は2時間までと制限されている。そのため、残り1時間05分となった65周目に河野選手はピットイン。吉本選手へとドライバー交代を行い、タイヤ交換と給油を実施した。

 22番手でコースに復帰した吉本選手の背後には、88号車Lamborghini GT3が迫る。両車はテール・トゥ・ノーズの激しい攻防を20周以上にわたって繰り広げるが、吉本選手は巧みなブロックでポジションを守り続けた。レース終盤にかけて2回目のピットストップを行うマシンが増えていくと、順位は徐々に上昇。79周目に19番手、94周目に18番手、96周目に17番手、100周目には16番手まで浮上し、ポイント圏内まであと一歩に迫った。

 しかし最後まで順位をひとつ上げることはできず、105周目に16位でチェッカー。予選での速さを考えると上位進出も期待されたが、路面状況とタイヤのマッチングに苦しみ、さらにアクシデントも重なったことで厳しい内容となった。次戦までは約3カ月のインターバルが設けられている。この第2戦で浮き彫りとなった課題をしっかりと洗い出し、ふたたび上位争いに加わるためのパフォーマンス向上が求められる。

吉本大樹選手

「予選の結果やマシンの状況から期待して臨んだ決勝レースでしたが、思い描いていた展開にはなりませんでした。本来は河野選手の後のスティントを担当する予定でしたが、タイヤのバーストによって戦略を変更し、最後のスティントを任されました。スタート時より路面温度は下がっていたもののグリップ感は薄く、ライバルに対して毎周1秒以上遅れる厳しい状況でした。88号車のランボルギーニとのバトルは抑えることができましたが、勝負できる状態ではありませんでした。予選から一転したこの結果については原因をしっかりと検証する必要があります。決勝でのパフォーマンス不足は明確なので、次戦までのインターバルで課題を解決し、立て直していきたいです。

河野駿佑選手

「スタートを担当しましたが、オープニングラップで666号車のポルシェに接触され、スピンしかけた際に4台に先行を許しました。その影響でリヤディフューザーを損傷した状態での走行となりましたが、序盤は何とかポジションを維持していました。ただ、10周を待たずにタイヤのグリップダウンが始まり、特にセクター3でのロスが大きくなりました。防戦一方の展開のなかで26周目に空気圧低下の警告が出て、その後バーストして緊急ピットインとなりました。想定より早いタイミングでのピットインとなり、第2スティントも連続走行となりましたが、グリップの回復はなく順位を戻すことはできませんでした。予選の内容が良かっただけに悔しい結果ですが、今回のレースをしっかり分析し、次戦に向けて改善していきます」

60号車Syntium LMcorsa LC500 GT
Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑) 2026スーパーGT第2戦富士

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