11月8日(日)、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われている『MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL』は、今シーズンの最終戦となるが、公式予選終了後に行われたGTA定例記者会見のなかで、GTアソシエイションの坂東正明代表は、今シーズンを振り返りつつ、2026年限りでラストとなるタイヤのマルチメイクについて触れ、これまでスーパーGTに参戦してきたタイヤメーカー各社についての感謝を述べた。

 2026年のスーパーGTも11月8日(日)の第8戦がいよいよ最終戦。第3戦が延期され11月7日(土)に開催されたことで、チームは多忙な週末を送っているが、8日(日)に行われた公式予選では、GT500クラスのランキングトップ2がフロントロウに並ぶなど、モビリティリゾートもてぎでの過去最多観客動員数が予想されるなか盛り上がりをみせている。

●シリーズのさらなるクオリティアップへ「設備投資をしていきたい」

 そんな2026年のスーパーGTについて、坂東代表は「我々のイベントだけでなく、日本も世界もモータースポーツが盛り上がってきている。F1、WRC、WEC等も、国内での開催時は認識度が高まっていると感じており、その中で来場者数も増えたり、興味をもってくれている人が増えていると感じている」と坂東代表は語った。

「国内のモータースポーツ全体が盛り上がってきているし、コロナ禍から数字が戻ってきていると思う。同時に、モータースポーツファンが増えていて、興味をもってくれている人が増えてきた。やはり自動車産業界は日本の根幹産業であり、自動車産業が活性化し、作り上げることは大事なことだと思っている。その中で、自分が口にしてきた『モータースポーツの文化を作る』という目標に繋がってくると思う」と坂東代表。

 その方向性に向けて、坂東代表は「我々としては粛々とひとつひとつクオリティを上げていかなければならない」と語った。「運営としてもレベルを上げないといけない。人のキャパもそうだし、人自体も増やさなければ」としつつ、さらに「ハード面でもより設備投資を考えている」とも。もっと競技、運営に対して設備投資をし、人を育て、設備を良くして、このイベントを継続してできるようにしていきたい」という。

 第7戦オートポリスでは、レース終了から5日後にGT300クラスの正式結果が改訂されるという事象もあったが、これについては、ピットイン義務回数の不足が議論となり、レース終了後もなかなか表彰式が始まらない事態にもなった。「ただ、それはチェッカーが出るまでは分からず、それからの判断になる」と坂東代表は説明したが、その後誤りがあったことに対しての訂正も含め、「あれはやってはいけないことだと思う。ああいう時間を作ってはいけないと反省している」と述べた。

 こういったジャッジや運営の改善に向けても、坂東代表は設備投資を行いたいと語った。現在、レースでの審判については管制室から審査委員会室へ書面が渡されたりとアナログな部分があるが、今後はデジタルの活用や、現在GT500車両で活用されているテレメトリーのGT300車両への装着なども進めたいという。当然、通信についても改善が必要だろう。

「今回はデータの漏洩などもあったので、セキュリティの強化やAIの活用などもしなければいけないと思う」と坂東代表は語った。

2026年スーパーGT第3戦決勝
3戦連続となるポールポジションからスタートした64号車Modulo HRC PRELUDE-GT

●タイヤメーカーには「『ありがとう』という気持ちでいっぱい」

 そんなシーズンを経て迎える第8戦は、今季のラストレースでチャンピオン決定の一戦(ただし、第3戦の結果に対してTGR TEAM ENEOS ROOKIEから控訴が出ているため、GT500は暫定チャンピオンとなる)であるとともに、長年スーパーGTの魅力のひとつだったタイヤマルチメイクのラストレースともなる。

 坂東代表は、マルチメイクの最終年について「自分自身がチームをやってきていたこともあるが、日本の自動車産業の中から、ブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、そして飛行機でタイヤを運んでミシュランが加わってきた。また過去には、クムホやハンコックといったメーカーも参戦していて、「会社として『負けても勝つまでやるんだ』という気持ちもあったと思う。スーパーGTに打ち込んでやってもらっていた」とこれまでの戦いを振り返った。

 2027年からはGT500クラスはブリヂストン、GT300クラスはダンロップがオフィシャルタイヤサプライヤーを務めることになるが、マルチメイクの終了は「我々としては苦渋の決断だったし、将来を見つめて、継続してイベントをやっていくためには、やむを得ない決断だった」と坂東代表は語った。

 しかし、スーパーGTというシリーズを育て、足元から支えてきたのはタイヤメーカー各社であると坂東代表は強調した。

「レースを盛り上げてきてもらったと感じているし、ダンロップさん、ヨコハマさんは今回がGT500でのラストとなる。チームもそうですし、みんなお世話になってきたし、築き上げてきたものもあった。だからこそ、ワンメイク化は寂しく思います」

「自分たちとしては『ありがとう』という気持ちでいっぱいです。来季からブリヂストンとダンロップとともにシリーズを作っていきますが、これまで参戦してきてくれたブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、ミシュランには感謝の気持ちでいっぱいです」

 なお、第8戦の決勝レースのスターティンググリッドでは、国歌斉唱の際に、各タイヤメーカーの人物が、自社使用車の最上位のグリッドに並んでもらうようにGTアソシエイションから依頼しているという。

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