続いて16時40分、ハイパーカークラスの予選セッションが開始された。タイヤコンパウンドは、ハードあり、ミディアムありと、異なる戦略が混在する形となった。トヨタでは7号車GR010ハイブリッドで可夢偉、平川亮組の8号車でブレンドン・ハートレーがアタッカーを務めている。
1周でピットへと戻ってニュータイヤへと付け替える陣営も見られるなか、各車はタイヤをウォームアップさせていき、セッション中盤を過ぎてから本格的なアタックが始まった。
12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)のアレックス・リン、51号車フェラーリのアントニオ・ジョビナッツィ、8号車トヨタのハートレー、93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)のジャン・エリック・ベルニュといった面々が好タイムを記録するなか、7号車トヨタの可夢偉が1分47秒500で暫定首位に立つ。
しかしこれを上回る最速ラップを、アストンマーティン・ヴァルキリー勢(アストンマーティンTHORチーム)が相次いで記録。007号車のロス・ガン、009号車のマルコ・ソーレンセンという順で、暫定のワン・ツーを形成した。
セッション終盤、ノックアウトゾーンの車両が続々と最終アタックを敢行するが、ドライバーランキング2位の83号車フェラーリ、同3位の6号車ポルシェともにハイパーポールには残れず、ここでノックアウトとなった。ケビン・エストーレがアタックした6号車ポルシェは、まさかの最下位となっている。
この予選第1ステージはアストンマーティンのワン・ツーとなり、7号車トヨタが3番手。以下、93号車プジョー、8号車トヨタ、15号車BMW Mハイブリッド V8(BMW Mチーム WRT)、12号車キャデラック、51号車フェラーリ、94号車プジョー、5号車ポルシェまでがハイパーポールへと駒を進めた。トップから13番手が1秒以内という、接戦の予選となった。
日没後の17時、ハイパーカークラスのハイパーポールのセッションが始まる。気温は27度、路面温度は32度にまで低下してきた。
3周目に最初のアタックラップを迎えた各車は、51号車フェラーリのジョビナッツィが1分47秒726を記録するが、これを12号車のリンが上回っていく。
そしてポールポジション争いは1分46秒台へと突入。8号車トヨタのハートレーが1分46秒977で暫定トップに立つと、直後には7号車トヨタの可夢偉が1分46秒826と上回り、この時点でトヨタがワン・ツーを形成する。トヨタの2台には、プジョー勢の2台が続き、セッションは終盤へと入っていった。
遅れてコースインしたアストンマーティンの2台は4周目に入っても6&9番手と、タイムが伸びてこない。
半数ほどのマシンがピットに戻ってきたタイミングでセッションはチェッカーを迎え、可夢偉がトヨタに今季初めてのポールポジションをもたらすこととなった。
2番手はハートレーの8号車で、トヨタがワン・ツー。94号車、93号車の順でプジョーの2台が続き、5番手には今季3回のポールポジションを獲得している12号車のリンが入った。ランキングリーダーの51号車フェラーリは、7番手でハイパーポールを終えている。
8時間にわたって行われる決勝レースは、11月8日土曜日の現地時刻14時(日本時間20時)にスタートが切られ、2025シーズンのすべてのタイトルが決する。今季ここまで表彰台にも手が届いていないトヨタ勢に、最後に大きなチャンスが回ってくるのか。タイトル争いの行方と合わせて、目が離せない最終戦となりそうだ。




