佐藤万璃音がWEC最終戦バーレーンでポイントフィニッシュ! 最後尾からのオーバーティクショーで、シーズンを締めくくる
FIA WEC世界耐久選手権シリーズにユナイテッド・オートスポーツ&マクラーレンから佐藤万璃音(横浜市出身・26歳)が2025年度もフル参戦を果たしました。開幕戦では幸先の良いポールポジションを獲得いたしましたが、第2戦以降、マシンとドライバーの持つ本来のポテンシャルを結果に繋げられないレースが続いておりました。
しかし、9月5~7日にアメリカで開催されたWEC第6戦『ローン・スター・ル・マン』で、見事今季初優勝を手にすることができました。この優勝は佐藤万璃音にとっては世界耐久選手権での初優勝であり、マクラーレンとしてもWEC復帰後初の優勝ということになります。
続く第7戦『富士6時間耐久レース』は佐藤万璃音にとって2度目の母国凱旋レースでしたが、不満足な11位完走という結果でした。
そして必勝を期して臨んだ最終戦、第8戦『バーレーン8時間レース』でしたが、チームは走り出しからマシンのバランスに苦しみ、フリー走行1回目は2分04秒697で12番手、2回目は2分04秒825で16番手に沈みました。大幅にセットアップを変更して臨んだフリー走行3回目は、2分03秒772で6番手と次第に調子を取り戻しつつありました。
しかし予選ではブロンズドライバーのダレン・レオン選手が2分03秒710をマークするもののクラス12番手に終わり、残念ながらハイバーポール進出はなりませんでした。
迎えた決勝レース、スタートドライバーのダレン・レオン選手はタイヤのデグラデーションに苦しみ、大きくポジションを落としてしまいます。チームは戦略的に新品タイヤを温存し、最後の佐藤万璃音のドライビングと追い上げに賭けることとし、セカンドドライバーのショーン・ゲラエル選手が最低限のタイヤ交換で周回遅れにならないところで我慢の走りを続け、佐藤万璃音にバトンをつなました。
レース終盤、佐藤万璃音のスティントの際に、チームの読みどおりにセーフティカーが出され、そのタイミングで温存していた新品タイヤを投入。トップグループに匹敵する速さで追い上げた佐藤万璃音は、素晴らしいオーバーテイクショーを演じながら、最終的にトップ10に入る9位入賞を果たしました。
■95号車ドライバー、佐藤万璃音のコメント
「去年はタイヤデグラデーションに苦しんだバーレーンでしたが、今年は用意されたコンパウンドがよりハードになって、それがミッドシップ車両の我々にとって逆に不利に働いたと思います。週末を通してFR車両やポルシェが速く、タイヤのデグラデーションに関しても彼らのほうが良好でした。自分は今回のフリー走行では予選シミュレーションをすることなく、ロングランに集中してセットアップを進めました。タイヤの状況から難しいレースになるとわかっていましたし、予選でハイパーポール進出がならなかったことで、ストラテジーとしては、新品タイヤを出来る限り温存して、レース終盤にセーフティカーが出た時に勝負を賭けるという方針でした」
「決勝ではやはり自分たちにペースがなく、それでも最低限のタイヤ交換で周回遅れにならないよう頑張って、自分にバトンを繋いでもらいました。予想どおりセーフティカーが出されたので、新品タイヤを装着し、ラストアタックで思いっきり攻め続けました。それでも残り50分しかなかったので、トップには届かず、9位に入るのが精一杯でした」
「昨年からGT3マシンに乗らせてもらうようになり、マシン特性にも慣れましたし、2年目の今年も併せて3位表彰台と優勝1回を記録することができました。フォーミュラからスポーツカーの世界へきて、プロドライバーとしての意識や仕事の進め方という面では、大きな成長が果たせたと思います。来年のことはまだこれから詰めていく段階ですが、今年1年応援してくださったスポンサーの皆さん、ファンの皆さん、そして自分を信じてすべてを託してくださったチームの皆さんに感謝します。本当にありがとうございました」
