坪井/山下組GRスープラが開幕2連勝
福住/大嶋組が2位でGRスープラは2戦連続1-2フィニッシュ
GT300クラスでは小高/小山/ブルツ組が3位で連続表彰台

 スーパーGTの第2戦が富士スピードウェイで行われ、2番手からスタートした坪井翔/山下健太組au TOM’S GR Supra 36号車が逆転で優勝。開幕2連勝を飾りました。ポールポジションからスタートした福住仁嶺/大嶋和也組ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が2位で続き、GRスープラは開幕から2戦連続の1-2フィニッシュ。GT300クラスでは小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ組apr LC500h GT 31号車が開幕から2戦連続となる3位表彰台を獲得しました。

 2026年シーズン スーパーGTの第2戦「FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL」が5月3日(日)、4日(月)の両日、静岡県・富士スピードウェイで開催されました。開幕戦の岡山大会では、史上初の4連覇を目指す36号車が優勝。大湯都史樹/小林利徠斗組KeePer CERUMO GR Supra 38号車が2位で続き、幸先の良いシーズンスタートを切りました。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はホームコースである富士でも好成績を目指して今大会に臨みました。

 心配された天候も日中は大きく崩れることなく、初夏らしい陽気となった富士スピードウェイにはゴールデンウィークということもあり多くのモータースポーツファンが集結。2日間で8万6300人が来場しました。

予選

 3日(日)、午後2時10分よりノックアウト方式の予選が行われました。風が強く、気温21度、路面温度27度、昼までは青空も見えていた空模様も雲に覆われ、天候の崩れも予想されているコンディションでの予選となりました。GT500クラスは、全14台で10分間のQ1を争い、上位10台がQ2へと進出します。

 Q1ではラストラップのアタックで各車が目まぐるしくタイムを塗り替える中、坪井の36号車が1分26秒640を刻んでトップに立ったかと思われましたが、GT500クラスの初レースとなった岡山開幕戦で2位表彰台という鮮烈なデビューを飾った小林利徠斗が1分26秒560でこれを逆転し、Q1をトップで通過。36号車が2番手、大嶋の14号車が7番手でQ2進出を決めました。

 Q2ではさらに雲が厚くなり、雨が心配される状況でしたが、結局走行に影響が出る様な雨は降らず、最後まで激しいアタック合戦が繰り広げられました。ラストアタックで素晴らしい走りを見せた福住の14号車がトップタイムをマークし、昨年の第4戦富士以来、福住にとっては8度目となるポールポジションを獲得。山下の36号車が2番手で続き、GRスープラは最前列グリッドを独占。前戦でポールポジションを獲得した大湯の38号車は4番手となりました。

 GT300クラスは、2組に分けて行われたQ1のA組で、31号車の小山が2番手の好タイムをマーク。高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が7番手、松井孝允のHOPPY Schatz GR Supra GT 25号車が9番手でQ2進出。B組では河野駿佑のSyntium LMcorsa LC500 GT 60号車がトップタイム。吉田広樹のGreen Brave GR Supra GT 52号車が3番手、堤優威のHYPER WATER INGING GR86 GT 2号車が4番手でQ2進出を決めました。Q2でも31号車は小高が好走を見せ、最前列2番手グリッドを獲得。野中誠太の52号車が3番手につけました。

14号車ENEOS X PRIME GR Supra
ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也) 2026スーパーGT第2戦富士

決勝

 4日(月)は前夜こそ大荒れの天候となったものの朝には雨はやみ、決勝スタート時は好天に恵まれました。気温24度、路面温度43度のコンディションで、グランドスタンドを埋め尽くした観客が見守る中、午後2時、2回の給油が義務づけられた3時間レースがスタートしました。

 混乱も無く、上位勢の順位はそのまま順当にスタートが切られると、福住が駆るポールポジションの14号車は、ペースの上がらない2位の36号車山下を引き離していきました。予選で下位に沈んだGRスープラ勢では、13番手スタートの37号車アレジが序盤からプッシュを続け、10周目には8位へとポジションアップ。

 一方、4位を走る小林利徠斗の38号車は、前を行くMOTUL Niterra Z 23号車をテール・トゥ・ノーズで激しく攻めていましたが、14周目の最終コーナーで23号車に接触し、23号車はスピン。38号車はそのまま3位で走行を続けるも、車両前部にダメージを負い、加えてこの接触でドライブスルーペナルティの裁定が出され、大きく順位を落とすこととなってしまいました。

 スタートから1時間を経過した40周目、首位を行く14号車がピットへ向かうと、20秒近い差をつけられながらも2位をキープしていた36号車もあわせる形でピットイン。給油、タイヤ交換と共に、それぞれ大嶋と坪井へとドライバー交代を行いました。

 その後他の車両も次々にピットイン。45周で全車が1回目の給油のピット作業を終えた時点で、首位の14号車に対し、36号車は15秒差の2位、そしてアレジの追い上げとピット戦略で順位を上げた笹原の37号車が4位へと浮上しました。しかし、47周目、37号車は突然ストレート上でスローダウンし、無念の戦線離脱。これによりフルコースイエロー(FCY)が出されました。

 FCYが解除された後も14号車と36号車の差は15秒ほどのままでしたが、55周を過ぎると36号車の坪井がハイペースで追い上げを開始、首位の14号車との差を詰めていきました。残りほぼ1時間となった76周を終えたところで、14号車と4秒差にまで迫っていた36号車がピットイン。36号車はドライバー交代を行わず坪井のまま、給油とタイヤ交換を行いコースへ復帰しました。

 その2周後、14号車がピットイン。こちらは大嶋から福住へとドライバー交代し、36号車のすぐ前でコースへ復帰しましたが、交換したばかりのタイヤが温まらない状態でペースが上がらない14号車を36号車がパス。アンダーカットを決めた坪井の36号車が事実上の首位に浮上しました。

 ペナルティを受けて順位を落とした38号車は、その後はハイペースで追い上げ、事実上の5位まで挽回。しかし、レース序盤の接触時に負った車両前部の破損部品がタイヤに当たるようになってペースが落ち、86周目にピットイン。レース中の修復はならず、ここでレースを終えました。

 12番手からスタートした39号車は、スタートを担当した関口と第2,第3スティント担当のフェネストラズが粘り強い追い上げを見せ、全車が2回目のピットを終えた時点で4位へと浮上。この時点では10秒以上あった3位の23号車との差をじりじりと詰めていきました。

 首位を行く坪井の36号車は、2回目のピット後しばらくの間は14号車の追い上げを受けましたが、その後は徐々に差を広げていく展開に。終盤にはその差は10秒以上に広がり、圧巻のトップチェッカー。開幕からの2連勝、昨年の最終戦からでは3連勝を飾りました。

 14号車は2位で続き、GRスープラは開幕戦に続き2戦連続の1-2フィニッシュとなりました。39号車のフェネストラズは最後まで追走を続け、その差は1秒ほどにまで迫りましたが追い抜きには至らず、それでも12番手スタートから8ポジションアップの4位でフィニッシュ。19号車が10位に入り、ポイント獲得を果たしました。

 GT300クラスでは、最前列2番手からスタートを切った小山の31号車が、ポールスタートのSUBARU BRZ R&D SPORT 61号車に一度は離されたものの徐々にその差を詰め、テール・トゥ・ノーズに。その後、61号車がタイヤバーストで後退したことで、31号車は首位に立ちました。首位を行く31号車は33周を終えたところで、今大会がスーパーGTデビュー戦となるチャーリー・ブルツへと交代しました。

 3番手スタートの52号車は、野中が最初のスティントを担当し、最後までピットを引っ張る作戦で首位に浮上。しかし、GT500の37号車が止まった際にFCYが出され、ピットはクローズに。このFCY走行中に燃料が厳しくなった52号車は、仕方なくクローズ中のピットへ向かわざるを得なくなりました。52号車は一旦トップでコースへ復帰しますが、60秒のピットストップペナルティという裁定が出され、大きく順位を落とすこととなってしまいました。

 52号車が後退したことで、TGR勢の最上位は2位の31号車に。31号車は68周を終えたところでブルツから小高へと交代。GT300クラスは車種も多く、タイヤや給油の戦略幅も広いため、様々なピット戦略が採られ、上位勢がほぼ全車2回目のピット作業を終えた時点で、31号車は4位を走行。2位を走るseven x seven PORSCHE GT3R EVO 666号車が10秒のタイム加算ペナルティ裁定を受けていたため、31号車は666号車とのタイム差を見ながらのバトルとなりました。

 小高は最大で10秒以上あった666号車との差をじりじりと詰めていき、最後は7秒ほどの差でチェッカー。3位表彰台を獲得しました。17番手からスタートした2号車は、序盤から卜部が素晴らしい追い上げで順位を上げ、2,3スティント目の堤の好走もあり、5位まで順位を上げてチェッカー。ペナルティにより一時は20位以下へまで順位を落としていた52号車は後半追い上げ、9位でフィニッシュ。96号車が10位で続き、ポイント獲得を果たしました。

au TOM’S GR Supra 36号車ドライバー 坪井翔

「2位からスタートして優勝することができました。決して楽なレース展開ではなかったんですが、チーム全員がそれぞれやるべきことをしっかりやった結果、優勝という形で終わることができたので、ちょっと出来過ぎですけれども、去年のリベンジを達成できてまずは良かったかなと思います。去年は8番手グリッドから2位フィニッシュで、今年は予選で山下選手が素晴らしいアタックで2番手グリッドをゲットできたので、十分戦えると予想していました。とはいえやはり14号車はすごい手強くて、タフなレースでしたが、目標としていた開幕2連勝を果たすことができてよかったです」

「最初のスティントの山下選手はトラブルを抱えていたんですが、そんな状態でも1時間走り切って、ちゃんとバトンを渡してくれました。セカンドスティントからはそのトラブルも解消し、問題なく走れました。最初は14号車と思ったより差を詰められないシーンはあったんですが、やはり後半勝負かなとは思っていて、そこでしっかり14号車と差を縮めることができました。チームの完璧な作戦でアンダーカットに成功したのがハイライトだったと思います。次は燃料リストリクターが入ると思いますが、そうなると今までと戦い方が変わります。3カ月空くので、どう戦うかチームと考えてしっかり準備していきます」

au TOM’S GR Supra 36号車ドライバー 山下健太

「自分のスティントは本来のペースでは走れず、14号車に差を広げられてしまったんですが、淡々と自分のペースで走り、2位で無事に繋げられて良かったですし、その後のピットの戦略と、坪井選手の速さで巻き返してくれて素晴らしかったです。40kgを積んでの開幕2連勝は、なかなかできることではないし、そんな状況でこれだけ大差をつけて勝てたというのは、本当にチームと坪井選手の力だと思います」

「次はまた3か月後、富士で行いますが、自分たちは燃料リストリクターが入ることになって、どうなるかやってみなければわからない部分もあります。ウエイトが重くなる中でポイントを取っていくというのは、スーパーGTの重要なところというか、難しいところでもありますが、今の自分たちにはその中でもポイントをしっかり取れる力はあると思いますし、ここ数年毎年同じことをやっているので、しっかり自分たちがミスせず戦えれば結果はついてくると思いますので、引き続き頑張ります」

ENEOS X PRIME GR Supra 14号車ドライバー 福住仁嶺

「久しぶりの3時間レースで、スタートと最後を走りました。スタートは順調に切れて、そのあと後ろをどんどん引き離せる展開だったので、落ち着いて、なるべく変な接触とかないように気をつけて走りながら、かなり大きなギャップを作ることができました。その時は勝てるチャンスがあるなと思ったんですけれども、セカンドスティントからの36号車のスピードがすごく速くて、最後もなかなか自分たちのペースも上げられず、結果的に2位ということで、非常に悔しいレースになってしまいました」

「チームとしていろいろと課題はあるので、しっかりとみんなで見直して次の富士戦に備えたいと思います。今回の結果でまたサクセスウエイトとか色々と変わってくると思うので、そんなに有利には行かないと思いますが、どんな状況でもポイントトップなのが36号車なので、そこに少しでも追いつけるように全力で頑張ります」

ENEOS X PRIME GR Supra 14号車ドライバー 大嶋和也

「勝ちたかったので、本当に悔しいレースになってしまいました。僕がバトンを受けとったときは後とのギャップがあったんで、もうちょっと広げたいなと思っていたんですが、ピットから出てタイヤが温まり切る前にピックアップが始まり、なんとか耐えたかったんですが、後半GT300クラス車両に巡り合うタイミングも良くなくて、ピックアップがどんどん増え始めて、一気にギャップが減ってしまいました」

「今年というか去年からですが、ピックアップが始まるようなコンディションでうちの車はあまりポテンシャルを出せていないので、今後に向けてその辺はなんとか改善していきたいなって思いもありますし、ピットでのロスとかも今回ちょっと大きかったです。明確に僕らの課題は見えて来ていますし、まだまだ強くなる要素は残っているので、次のレースまでちょっと時間が空きますけど、しっかり改善して、もっと強くなって戻って来たいと思います」

apr LC500h GT 31号車ドライバー 小高一斗

「予選ではしっかりとパフォーマンスを引き出せたと思います。決勝は僕ら3人、特に小山選手がいいスタート切ってくれて、チャーリーは今年初めてのレースでしたがペースも問題なくこなしてくれて、僕らができることはできたんじゃないかと思います。ただ、ちょっと僕らはレースの展開的にラッキーだった部分があり、実力的には5位、6位くらいのペースというのが現状で、課題が残ったレースでした」

「開幕から3位、3位と連続表彰台に上れましたが、岡山も今回も運が良かった部分がありますし、次の富士はさらにクルマも重くなります。シリーズを考えて、しっかりとポイント取っていくためには、まだ足らない部分があります。次戦の富士に向けてちょっと間があるので、しっかりと解決して、次に向けてまた頑張りたいと思います。たくさんの応援ありがとうございました」

apr LC500h GT 31号車ドライバー 小山美姫

「フロントロウということで、誰も前にいない状態からのスタートがこんなにも眺めのいいものなんだっていうのを味わせてもらいました。開幕戦もスタートは担当させてもらったので緊張はしなかったんですが、岡山とは違ってちょっと余裕を持って走行することもできました。ラッキーもあってトップに立てましたが、やはり戦っている身としては自分の力でトップを取りたかったなっていうのもあります」

「今回、結果的に3位でしたが、次こそは自分たちの力でもっと前を目指したいと思います。ドライバーもチームとしてもまだ課題はありますし、次戦以降はさらに厳しい戦いになると思いますが、今回から得られたこともたくさんあるので、良い位置で良い争いをして、チャンピオンシップに向けてもできるだけ上でゴールしたいなと思います」

apr LC500h GT 31号車ドライバー チャーリー・ブルツ

「応援に来てくださったファンの皆さま、ありがとうございました。本当に楽しかったです。スーパーGTで初めてのレースで、ゴールデンウイークのレースというのも初体験でした。ファンの方々も最高でしたし、すべてが体験したことがないほどクールでした。そして初レースで表彰台にも上ることができたというのもエキサイティングでした。チームメイトにも感謝しています。彼らは本当に速かったですし、私もトップとの差を詰めることまではできませんでしたが、安定した良い走りができたと思っています。改めて、サポートしてくれたチームとチームメイトの皆さんに感謝します」

36号車au TOM’S GR Supra
au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太) 2026スーパーGT第2戦富士

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