2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPの決勝にて、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)が3位に入り、移籍17戦目にして初表彰台を掴んだ。復活途上のウイリアムズであるだけに、加入当初からある程度の苦戦は覚悟していたことだろう。しかしチームメイトのアレクサンダー・アルボンが上位入賞を繰り返す一方で、サインツは予想以上にウイリアムズのクルマに手こずり続けた。前戦イタリアGP終了時点での最高位は8位が精一杯。気づけばアルボンに、56ポイントもの大差をつけられていた。
アゼルバイジャンGPの予選で2番グリッドを獲得後、「決勝では表彰台を狙う」と宣言したのは、そんな状況をひっくり返したいという思いからだったはずだ。とはいえ望外の2番グリッド獲得は、度重なる赤旗中断や小雨の降るタイミングに助けられた部分も大きかった。背後のメルセデス、マクラーレンは、明らかに戦闘力に勝る。彼らをどこまで防げるか、サインツ自身にも絶対的な勝算はなかったことだろう。
