■大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 予選13番手 決勝リタイア
続いてもうひとりの当事者、大湯が接触シーンを振り返る。
「130Rで後ろにつかれて、お互いOTS押してて。僕は抜かれそうだったのでシケイン1個目はブロックして、アウトから来たところまでは理解できてたんですけど、並ばれるところまでは行ってないという感覚で。ただ、ブレーキングしてからは(相手が)死角にいたので、もういるのかいないのか、分からない感じでした」
「そこから2個目に向けてアクセル踏んで並んできたのですが……並びきれてないですけど、当てられちゃったなぁ、という感じですかね」
大湯は野中の“相手の死角に入る走り”について、「すごくリスキー」と指摘する。
「そこでのオーバーテイクはすごくリスキーなので、僕的には引いて欲しい、普通は引く場面だなとは思うし、結局あそこで抜こうと思ったら、ホイール・トゥ・ホイールくらいまで並ばないと抜ききれない。その状態からの抜くか・抜けないか、という話になってくると思うので、“飛び込みながら”は無理かなぁ。もうすこしスペースの広いコーナーだったら行けると思うけど」
ちなみに、午前中に行われた第10戦のチェッカー後のクールダウンラップでは、ヘアピンでスピンする様子が見られた。一部では「パフォーマンスか?」と見る向きもあったようだが、大湯はこれを否定している。
「気のせいにしてもらえたら……(笑)。お客さんが盛り上がるかなと思って、『ブルブルッ』てするくらいのホイールスピンをさせようと思ったら、ちょっと思いの外リヤグリップがなくて、(ステアリングの)切れ角もないので、そのままクルリと回りまして。ドリフトしたわけではなく、ただのハーフスピンです。そんなつもりではなかったんですけどね」
■小林可夢偉(Kids com Team KCMG) 予選18番手 決勝15位
最終ラウンドの3戦をノーポイントで終えた可夢偉。セットアップに迷走し、大きく振るたびにマシンの挙動も大きく変わってしまい、手を焼いていたという。
さらにこの週末は、金曜日のFP2で身体の方にも思いもよらぬトラブルが発生。
「S字でハンドル切ったら、ぎっくり腰を起こしまして。衝撃があったわけではなく、ハンドルを切ったら、寒かったのもあってなのか、ポキっといきました」
可夢偉はその状態で、土日の2回の予選、3回の決勝を走り抜いたというのだから驚きだ。
「それで頑張ってたんですよ。いろいろ貼って、バンテリン巻いたり、トレーナーに診てもらったり。シートにも詰め物して。いろいろ試行錯誤して、乗り切りました」
可夢偉によれば、高い踏力が求められるブレーキングの負担が、とても大きかったという。
「今後の対策ですか? ……ママケン体操ですね。それしかないです」(※ママケン:山下健太の母。『1級ラジオ体操指導士』の資格をもち、第9・10戦の富士のステージイベントに登場)
可夢偉は「厳しいシーズンでしたね。早く1勝したいので、なんとか来年も帰って来れるようにしたいです」と、21ポイントの獲得にとどまった2025年シーズンを振り返っていた。


