2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1,2戦 鈴鹿
第2戦で坪井が2位表彰台獲得
スーパーフォーミュラの第1戦、第2戦が鈴鹿サーキットで行われ、ディフェンディングチャンピオンの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が第1戦で4位、第2戦で2位表彰台を獲得しました。小林可夢偉(Kids com Team KCMG)は2戦連続のポイント獲得。第1戦では、デビューレースとなるザック・オサリバン(KONDO RACING)が8位でポイントを獲得しました。
2025年3月7日(金)から9日(日)にかけて、三重県・鈴鹿サーキットで「全日本スーパーフォーミュラ選手権」第1戦・第2戦が開催されました。今季のスーパーフォーミュラは、鈴鹿大会を含む5大会が1大会2レース制となり、全7大会12レースで争われます。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、株式会社トヨタ・ガズーレーシング・ディベロップメント(TGR-D)を通じ、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン(TRD 01F)を7チーム13台に供給。ドライバーズチャンピオンの連覇およびチームチャンピオンの奪還を目指します。
今大会は1大会2レース制のため、8日(土)と9日(日)にそれぞれ予選と決勝が実施され、7日(金)にはフリー走行が行われました。このフリー走行1回目で、ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPULの19号車を駆るオリバー・ラスムッセンがクラッシュし、大事をとって欠場。急遽、TGR-DC育成ドライバーの野中誠太が代役として出場しました。
近年、人気が急上昇しているスーパーフォーミュラの開幕戦とあって、土日2日間で3万2500人が来場しました。
【第1戦予選】
8日(土)9時50分、気温8度・路面温度11度の寒冷コンディションのなか、ノックアウト方式の予選が開始されました。
Q1は2グループに分かれ、各グループの上位6台がQ2へ進出。A組では、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が4番手、スーパーフォーミュラデビューのオサリバンが5番手、小林が6番手でQ2へ進出。B組では坪井が5番手、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が6番手でQ2進出を決めました。
Q2では福住がTGR勢最上位の5番手グリッドを獲得しました。
【第1戦決勝】
予選終了後、気温13度・路面温度21度のコンディションのもと、14時45分に27周の決勝がスタート。TGR勢最上位で5番手グリッドの福住はポジションをキープ。9番手の坪井が7番手、11番手の小林が8番手、13番手の阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が9番手へと順位を上げました。しかし、1周目のNIPPOコーナーでクラッシュが発生し、セーフティカー(SC)導入。
5周目にレースが再開されると、福住は8番手に後退。9周目には10番手争いを繰り広げていた大湯と小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が接触し、ともにスピンしてリタイア。これにより2度目のSCが導入されました。

このSCラン中にタイヤ交換義務の消化が可能となる10周を越えたため、全車が一斉にピットイン。このピット作業で順位が変動し、坪井が3番手、阪口が5番手、小林が6番手、オサリバンが7番手へと浮上しました。
13周目の再スタート後、坪井は後続の追撃を受け4番手に後退。一方、シケインで平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)と福住が接触し、福住は左リヤタイヤを破損してストップ。これにより3度目のSCが導入されました。
レースは残り10周で再開されると、ファイナルラップまで各所でオーバーテイクシステムを駆使した熾烈なバトルが繰り広げられました。最後まで小林の猛追を凌ぎきった坪井が9番手スタートからTGR勢最上位の4位でチェッカー。小林が5位、阪口が6位、オサリバンは8位に入り、今大会デビュー勢では最上位フィニッシュ。山下健太(KONDO RACING)が9位でポイントを獲得しました。
【第2戦予選】
Q1では、A組で坪井が4番手、福住が5番手、山下が6番手でQ2へ進出。B組では大嶋 和也(docomo business ROOKIE)が4番手、大湯が5番手、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が6番手でQ2進出を決めました。
Q2では坪井がTGR勢最上位となる4番手につけました。
【第2戦決勝】
予選後も強い日差しが照りつけ、気温15度、路面温度は38度まで上昇するなか、14時40分に31周で争われる決勝レースがスタートしました。2列目4番手グリッドからスタートした坪井は、1台に先行を許し5番手へ後退。第2戦では、1周目完了以降からタイヤが交換となるため、1周目終了時点で早くも複数台がピットイン。ピット戦略によって、先にピットを終えた車両と遅らせる車両が、タイム差を意識しながらの争いとなりました。
坪井はピットを遅らせる戦略を選び、レース前半は2番手を走行。好ペースで首位の車両を追い、早めにピットを終えた“見えない敵”との順位争いを繰り広げました。
レース中盤を過ぎても坪井のペースは落ちず、20周を終えた時点でピットイン。全車がピットを終えた時点で、坪井は3番手でコースに復帰しました。
さらに、前を走る2番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に追い越し時のペナルティが科され、5秒加算の裁定が下されたことで、坪井は太田との差を5秒以内に保ちながら周回を重ねました。
レース残り3周となったところで、オサリバンと野中がバトルの末に接触。オサリバンがコースオフしたことでSCが導入され、そのままレース終了。坪井は、TGR勢が苦戦するなか、見事2位表彰台を獲得しました。今大会、苦しみながらも4位/2位の結果を残し、ドライバーズランキングでは2位につけています。
また、大湯が7位。小林が9位、大嶋が10位となり、ポイントを獲得しました。

VANTELIN TEAM TOM’S 1号車 ドライバー 坪井翔
「第2戦は2位という結果で表彰台に上がることができました。今週末は、正直ポイントを取れればいいかなと思うくらいだったので、4位、2位という結果は、本当にしのいだなという感じです。しかし、開幕戦としてはいい形で締めくくることができたと思います」
「今日も正直、予選の段階では表彰台は厳しいと思っていたのですが、展開も味方してくれましたし、レースペースでもホンダ勢にしっかりついていくことができたのは大きな収穫です。ただし、やはりまだトップとの差は大きく、3戦目以降、追い上げていく必要があります」
「今日は本当に耐えきったなという感じで、もう優勝に匹敵するぐらいの満足感はありますが、もちろんこのままでは終われません。次戦もてぎへ向けてしっかり準備を整え、次は僕たちが優勝できるように頑張りたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします」