ウエットからドライへと変化する路面に、タイヤチョイスとセットアップを合わせ切れなかった悔しい予選結果
9月20日(公式練習/予選)
スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』は、年に一度の東北地方でのレースとなります。開催地となった宮城県・スポーツランドSUGOは記念すべき開業50周年という今年に向けて、シーズンオフに路面を全面改修しており、コースレコード更新が期待されるイベントとなりました。
搬入日の金曜日は快晴でしたが、土曜日は朝から雨となってしまい、9時15分からの公式練習は、雨は小康状態となりましたが気温18℃、路面温度21℃という肌寒いコンディションです。
VELOREXの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、まずロベルト・メリ・ムンタン選手がステアリングを握ってコースイン。次第に乾きつつある路面状況の中でセットアップを煮詰めながら、片山義章選手に交代。ウエット用タイヤをセーブしつつ周回を重ねました。
その後セッション終盤にスリックタイヤを投入し、ロベルト・メリ・ムンタン選手が35周目に1分18秒734をマークして7番手でセッションを終えました。ドライ路面では強いアンダーステアが出ており、午後の予選に向けてチームは大幅にセットアップを変更し、タイヤのコンパウンドも変更しました。
午後の予選、VELOREXは予選A組での出走です。予選開始時の気温は20℃、路面温度26℃、湿度69%というコンディションとなりました。
アタッカーは片山義章選手。午前中の公式練習ではスリックタイヤを履くタイミングも無く、新品タイヤでの一発勝負という中、無線でオーバーステアを訴えながらも3周目に1分18秒156をマークし、見事8番手で予選Q2進出を決めてくれました。
予選Q2では、ロベルト・メリ・ムンタン選手がステアリングを握り、同じく3周目に1分18秒252をマーク。強いアンダーステアに悩まされ、残念ながら12番手にとどまり、決勝レースは6列目からのスタートとなりました。
■片山義章選手のコメント
「朝の公式練習ではウエットコンディションの中でスタートし、次第に乾いていくという状況の中、自分はかなり傷んだ状態でのレインタイヤで走り続けました。タイムが出ていないことは心配していませんでしたし、マシンに大きな問題はなく、ただアンダーステアが強かったので予選に向けてセットアップを変更してもらいました。予選ではこの週末初めての新品スリックタイヤでしたし、午前中のタイヤとは温度レンジが異なるタイヤをチョイスしたのですが、走り出してみると凄いオーバーステアで、それでもなんとかQ1突破はできました」
「予選Aグループは強敵ぞろいで、Bグループだったら自分のタイムで3,4番手以内だったと思います。自分の走りもパーフェクトではなかったですが、予選Q2へと繋げられて一安心でした。でもQ2では逆にアンダーステアになってしまい、ロベルト・メリ・ムンタン選手が僕のタイムを更新できない状況だったので、厳しいスタート順位になってしまいました。菅生のレースは荒れることが多いので、巻き込まれることなく自分たち本来のスピードを取り戻して、明日はしっかりと頑張っていきたいと思います」
■ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「今日は朝の公式練習からアンダーステアが強く、スリックタイヤでタイムは出ていましたが、予選に向けて大きくセットアップを変更しました。片山義章選手のコメントでは凄くオーバーステアになってしまったとのことで、データを見ても確かにオーバーステアが強く出ていたので、エンジニアのマティア・オセラドーレと相談して、セットアップをむしろ元に戻す方向で変更してコースインしたのですが、逆にアンダーステアが強く出過ぎてタイムが出せませんでした。このサーキットは抜きにくく、予選順位がとても大切だと片山義章選手とも話していたので、本当にがっかりです。それでも気持ちを切り替えて、明日の決勝では自分たちの最高のパフォーマンスをお見せしたいと思っています」
■小倉啓吾チーム監督のコメント
「朝の公式練習ではドライ路面での走行が余りできておらず、上位とのタイム差が気にはなっていたのですが、ロベルト・メリ・ムンタン選手がタイムを出してくれていたので心配はしていませんでした。予選Q1に関しては、確実に予選Q2へ進出することが大前提でしたので、その意味ではチームとしては予定どおりしっかりと突破することができました」
「片山義章選手のコメントを参考に、予選Q2に向けて大幅にセットアップを変更したのですが、ロベルト・メリ・ムンタン選手に言わせると予選Q2でのマシンバランスは良くなかったとのことで、エンジニアにデータを確認してもらい、対策案を練ってもらっている最中です。結果的には、予選に関して言えば思っていたポジションには居なかったですし、パフォーマンスがしっかり出せていなかったと思います。決勝に向けていろいろ考えて、マシンのパフォーマンスを引き出し、戦略面も含めてベストを尽くして戦いたいと思います」
■古場博之エントラント代表のコメント
「朝の公式練習はウエットタイヤを温存する意味で、順位を気にすることなく1セットでできるだけ走らせ、バランスを探りました。終盤ライバルたちもスリックタイヤを投入してきたのでスリックでアタックに出て、7番手。全体的なバランスは悪くないものの、ややアンダーステアが強いということで、予選に向けてセットアップを変更し、タイヤも温度レンジの異なったものを投入しました」
「片山義章選手は公式練習で新品スリックタイヤを履いていませんでしたが、本当に良い仕事をしてくれたと思います。Q2までの間に、オーバーステアが強かった面を修正すべく、エンジニアのマティア・オセラドーレとも話してさらに大幅にセットアップを変更したのですが、振り過ぎてしまい、ロベルト・メリ・ムンタン選手はアンダーステアが強すぎて走れないとアピールしてきました。バランスさえ良ければ6番手以内にはいけたはずです」
「結果は12番手と悔しい内容でしたが、セットアップを両極端に振ったことで明日の決勝に向けて良い参考データが得られたと前向きに考え、明日はひとつでも上の結果を目指します。このサーキットは1周が短く抜きにくいので、ピットタイミングで勝敗を分けてしまうので、しっかり作戦を練り込んで、勝ちにいきたいと思っています」


