スーパーGT第6戦SUGO
SUGO GT 300km RACE
関口/フェネストラズ組GRスープラが2位表彰台
GT300では吉本/河野組LC500が優勝
スーパーGTの第6戦がスポーツランドSUGOで行われ、GRスープラ勢は重いサクセスウエイトに苦しむなかで、関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が最後まで優勝を争い2位フィニッシュ。今季2度目の表彰台を獲得。GT300クラスでは吉本大樹/河野駿佑組 Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車が4年ぶりの勝利を飾りました。
2025年シーズンスーパーGTの第6戦『SUGO GT 300km RACE』が9月20日(土)、21日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
全8大会で戦われている今季のスーパーGTも残すところ3戦。トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のGRスープラ勢はこれまでの5戦中4勝をあげ、ランキングでもトップ4を占める強さをみせています。シーズン中のサクセスウエイト(SW)が最も重くなる今大会ですが、チャンピオン獲得へ向け、全チーム少しでも多くのポイントを獲得すべくSUGO戦に挑みました。
年に一度の東北での開催ということもあり、2日間で2万6900人の熱心なモータースポーツファンがSUGOに集結しました。
◆予選◆
20日(土)、朝方は雨が残ったものの、昼過ぎにはほぼ路面は乾いた状態に。午後2時5分より、曇り空、気温20度、路面温度26度と涼しいコンディションのなかでノックアウト方式の予選が行われました。
Q1は全15台が出走し、上位10台がQ2へと進出。39号車を駆る関口がコースレコードを破るトップタイムをマーク。Deloitte TOM’S GR Supra 37号車の篠原右京が5番手。ランキング首位でSW100kgのau TOM’S GR Supra 1号車は坪井翔が最後に7番手に飛びこむ健闘。KeePer CERUMO GR Supra 38号車とENEOS X PRIME GR Supra 14号車もそれぞれ石浦宏明と福住仁嶺が好アタックで8番手、10番手に入り、GRスープラ勢は5台がQ2進出を果たしました。
Q2では39号車のフェネストラズがGRスープラ勢最上位となる2番手グリッドを獲得しました。
GT300クラスは、2グループに分けてQ1を実施しそれぞれ上位9台がQ2へと進出。A組ではランキング3位につける平良響のHYPER WATER INGING GR86 GT 2号車が、SW100kgを積みながらも3番手。オリバー・ラスムッセンのapr LC500h GT 31号車が5番手でQ2進出を決めました。
B組では河野の60号車がトップタイム。吉田広樹のGreen Brave GR Supra GT 52号車が4番手、松井孝允のHOPPY Schatz GR Supra GT 25号車が6番手でQ2進出を果たしました。
Q2では、吉本の60号車が2番手グリッドを獲得。また、TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)育成ドライバーであり、前戦初優勝を飾った小林利徠斗が、CARGUY MKS RACING 7号車で自身初のポールポジションを獲得しました。
◆決勝◆
21日(日)13時40分、空には雲がかかっているものの、気温24度、路面温度32度と過ごしやすい秋晴れの下で、84周で争われる決勝レースがスタートしました。
2番手グリッドの39号車関口はスタートから激しい追撃を見せ、6周目に見事なオーバーテイクで首位に浮上。12番手スタートの19号車国本も徐々に順位を上げていきました。
一方、4番手からスタートを切った山下の1号車はペースが厳しく、サクセスウエイトの重いGRスープラ勢はポイント圏外へと順位を落とすこととなってしまいました。
28周を終えたところから各車ドライバー交代のためピットインを進めていくなか、首位の39号車はそのまま関口が走り続け、ちょうど折り返しとなる42周を終えたところでピットインし、フェネストラズへと交代。関口が最後までハイペースで周回を重ねたことと、迅速なピット作業により、2番手とは10秒ほどの差を付けて首位のままコースに復帰しました。
45周目、GT300の26号車がピットロード出口にストップしたことでこの日2度目のフルコースイエロー(FCY)となり、48周目にこれが解除されましたが、その直後、ストレート上で激しい多重クラッシュが発生。ドライバーは全員無事でしたが、レースは赤旗となり、車両排除と破損したピットウォール等の修復のために長い中断を余儀なくされました。
1時間ほどの中断の後、午後4時に走行が再開されましたが、レースは最大延長時刻の午後4時半までに84周を走り切ることができなくなり、残り30分のタイムレースとなりました。セーフティカー先導で4周した後、残り20分強で本格戦が再開。首位を行くフェネストラズの39号車はそれまでに築いたマージンが帳消しとなり、サクセスウエイトの軽い後続からの猛追を受けることに。GT300クラスの車両をかいくぐりながら懸命に防戦しつづけましたが、ファイナルラップの馬の背コーナーで並ばれ、SPコーナーで先行を許して2番手へ。39号車はそのまま2位でチェッカーを受け、今季2度目となる表彰台を獲得。39号車の2人はランキングでも3位に浮上しました。
重いサクセスウエイトに苦しみ、ポイント圏外での走行を強いられていた他のGRスープラ勢も最後に追い上げを見せ、37号車が5位、14号車が7位、1号車が9位、19号車が10位でポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、最前列2番手グリッドからスタートした吉本の60号車が序盤からバトルを続け、7周目に首位を奪取。
一方、5番手からスタートした平良の2号車は、トップ10圏内でバトルを繰り広げていましたが、16周目、直前でスピンした車両を避けようとブレーキングした52号車に追突。車両前部にダメージを追い、レースを終えることとなってしまいました。
首位の60号車は、たびたび後続に迫られるもののポジションをキープ。赤旗中断でマージンが無くなり、終盤も追い上げを受けましたが逃げ切ってトップチェッカー。チームにとっては4年ぶり、今季より新たに投入したLEXUS LC500では初めての勝利を飾りました。
52号車が6位。30号車が13位に入り、今季初ポイント獲得を果たしました。
DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 関口雄飛
「自分のスティントではちょっと辛い部分もありましたが、みんな結構良い時、悪い時が同じスティントのなかであったりしてうまくごまかせて、良い走りができたかなと思います」
「ただ、最後ちょっとすごい速い車がいて、あと半周ぐらいというところで抜かれてしまったのは非常に悔しいですが、今週通してポジティブな点として、車の調子が戻ったので、後半戦ラスト2戦も全然優勝狙える自信もあります。今回は悔しいですけど、ラスト2戦でリベンジしたいと思います。応援ありがとうございました」
DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ
「難しいレースでした。ファイナルラップまでトップを走っていただけに悔しい結果です。フリー走行も含め、週末を通してペースは良かったです。しかし残念ながら、24号車とサクセスウエイト差が大きすぎましたし、彼らはレース全体を通して我々より速かったです。セーフティカーやFCYも、我々には不利に働きました。悔しいですが、それでも2位は悪くない結果です」
「昨日の予選と今日の決勝レースで雄飛は素晴らしい走りを見せてくれました。レース終盤にトップの座を失ったのは残念でしたが、全体的には満足すべき結果だと思います。今日の結果で、ランキング3位に浮上できたことは大きいです。今季ここまで厳しい戦いが続いてきただけに、チーム全体として大きな進歩を遂げられて、本当に嬉しいです。次は最終戦のひとつ前となるオートポリス戦です。ベストを尽くします。ガンバリマショウ」
Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車 ドライバー 吉本大樹
「ここSUGOはスタートのポジションが非常に大事になるんですけど、今回ダンロップタイヤさんが本当に素晴らしいタイヤを用意してくれて、2番手グリッドからスタートすることができました。前回の鈴鹿で悔しい思いをしたので、今回のSUGOは何が何でも結果を出したかったんですが、本当にこの優勝という結果で終われて良かったです」
「最後は56号車に追い立てられて、本当にドキドキでしたが、河野選手がかっこいい走りで守ってくれてリベンジを達成できました。今年結果が残ってなかったんですけど、やっとこうやって結果を残すことができて、僕たちLM corsaとしては2021年最終戦以来となる優勝を達成できて良かったです。次戦も頑張ります」
Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車 ドライバー 河野駿佑
「久しぶりの優勝は本当に嬉しいです。このスポーツランドSUGOは僕らが今年から導入したLEXUS LC500と相性がいいと思っていたなか、本当に今回ダンロップさんのタイヤも素晴らしくて、吉本選手の予選があって、本当にいいレースができたと思います」
「最後は56号車に迫られて苦しかったんですけれども、もう予選よりプッシュしてるんじゃないかというくらい一生懸命走りました。鈴鹿のことがあったんで、本当にリベンジというか、3週間くらい本当に落ち込んでいたので、チームの皆と、この喜びを共有できて本当に嬉しいです。たくさんの応援ありがとうございました。オートポリスも引き続き頑張ります」


