S-GT2025 rd6 SUGO QF
LM corsa REPORT
#60 Syntium LM corsa LC500 GT
公式練習のドライコンディションでは好タイムをマークし
ポールポジションには届かなかったが、予選Q2でトップと1000分の19秒差の2番手を獲得
今シーズンも年間8戦で競われているAUTOBACS SUPER GT 2025 SERIES。LM corsaは、今季からマシンをレクサスLC500 GTにスイッチし心機一転を図った。公式テストなどではニューマシンの性能を発揮し上位の加わることがあったが、実戦になると苦戦が続き第4戦を終えたところで、獲得できたポイントは4点となっていた。
しかし、第5戦の鈴鹿サーキットでは公式練習から本来のポテンシャルを引き出し、予選では2列目となる4番手を獲得。決勝レースでもチーム一丸で戦いポジションを上げてチェッカーを受けたものの、レース後の車検で既定された車両重量に足らず、残念ながら失格となってしまった。さまざまな要因はあるが、結果として表彰台を逃したことは悔やまれる。しかし、GRスープラGTのときから悩まされていたタイヤのグリップ性能の問題も起こらず、明るい兆しが見えた一戦だった。
迎える第6戦の舞台となるのは宮城県のスポーツランドSUGO。このコースもLC500 GTとの相性が良いとされ、似た特性を持っていたGR Supra GTでも上位に入ったことがある。さらに、シリーズポイントに与えられるサクセスウエイトがライバル勢に比べて少ないことからも好レースが期待された。
第6戦の『SUGO GT300km RACE』は、9月20日(土)に公式練習と予選、21日(日)に決勝レースを実施。走り始めとなった公式練習は9時15分から11時15分までの2時間にわたって行なわれ、FCY(フルコースイエロー)の練習やGT500とGT300クラスの専有走行も含まれている。コースには明け方から雨雲がかかっていて、サポートレースの予選はウエットコンディションでの走行となった。ただ、雨は降っていないためGTマシンが周回を重ねれば、路面が乾いていくことが予想された。
公式練習では、まず吉本大樹選手がLC500 GTに乗り込み、マシンやコースコンディションを確認。ウエットタイヤを履いてコースインすると6周後にピットに戻る。続いて河野駿佑選手がステアリングを握ると5周を走行。持ち込んでいるレインタイヤと路面コンディションが合わず、チームはピットで待機することを決めた。
多くのマシンが走行を続けると、路面状況が回復していき10時15分過ぎに、ふたたび河野選手がLC500 GTに乗り込んだ。計測14周目には自己ベストタイムの1分18秒612をマークし、この時点でタイミングモニターの最上位に表示される。その後は、吉本選手がステアリングを握り、約15周を走行。公式練習は2人のドライバーが計34周を走行し、河野選手がマークしたベストタイムによりGT300クラスの28台中5番手となった。
<気象データ>
気温:21℃、路面温度:22℃(予選Q1時)
<予選>
午前中に行なわれた公式練習では、前戦から引き続き好調さを示し、予選での上位進出が期待された。今回の予選もGT300クラスの28台が2組にわけられ予選Q1を戦い、上位9台ずつが予選Q2へ進出しポールポジションを競う。
LM corsaはB組に振り分けられ、予選Q1を河野選手が担当した。コースサイドは濡れているもののコースはドライコンディションとなる。予定されていた14時23分にコースオープンとなると、河野選手はウォームアップのためにピットを離れた。アウトラップと2周にわたりタイヤやブレーキなどに熱を入れると3周目にアタックを開始。セクター1から最速タイムを記録すると、セクター4までのすべての区間で全体トップのタイムをマーク。公式練習でのタイムを大幅に上回る1分17秒569を出すと、翌周もアタックを決行。セクター1と3ではさらにタイムを伸ばすと1分17秒363をマークし、結果的に2番手のマシンに0.5秒のギャップを付けてトップとなった。
GT500クラスの予選Q1を挟み、GT300クラスの予選Q2が実施される。LC500 GTのステアリングを握った吉本選手は、アウトラップと2周をウォームアップに充てて3周目にアタック。すべてのセクターで河野選手が記録した予選Q1のタイムを塗り替えると1分16秒987をマーク。翌周もアタックを継続しようとするがタイヤのグリップ感が薄くなり、途中で中断する。
この時点でタイミングモニターの最上位にLC500 GTが表示されていたためポールポジションへの期待が高まる。しかし、7号車のFERRARI 296 GT3が最後のアタックでわずか1000分の19秒上回る1分16秒968を記録したため、惜しくもポールポジションは逃してしまった。
それでも、明日の決勝レースはフロントローの2番グリッドを得ることとなった。好位置からのスタートで、前戦の鈴鹿サーキットでのパフォーマンスが実力だったことを示すことになるはずだ。
吉本大樹選手
「公式練習の最初は雨こそ降っていませんでしたが、路面が濡れていて我々の苦手なコンディションでした。しかも、状況に合ったタイヤがなかったため乾くのを待ちました。中盤に河野選手からふたたびドライバーチェンジをして乗り込み、いくつかのセットアップを試しました。ライバル勢に対してタイムは伸びていたので、前戦の鈴鹿サーキットから引き続きマシンの状況は良さそうでした。予選はQ1をトップで通過してくれ、同じように2アタックを行なうつもりでした。ただ、2周目はグリップ感が薄く、クーリングを挟んだ再アタックもタイムは伸びませんでした。結果としてトップと19/1000秒差という僅差だったので、ドライバー側でできることがあったはずなので悔やまれます。ただダンロップタイヤも含めてポジティブな要素が多いので、明日の決勝レースは勝ちに行きたいです」
河野駿佑選手
「公式練習は吉本選手が最初に乗り、続けてステアリングを握りました。予選が雨の可能性もあったので5周を走行したのですが、少し濡れている状況だとマシンの良さが発揮できませんでした。中盤から路面が乾いていき、スリックタイヤで走ると状況が好転しました。マシンの状態は良い印象で、最後は吉本選手に託しました。予選はQ1を担当し、2周連続でアタックしました。2周目でもタイムを伸ばせトップで予選Q2に繋げて良かったです。予選Q2はトップとわずかな差だったので残念でしたが、一日を通して順調に進みました。スポーツランドSUGOとLC500 GTは相性が良いと思いますし、ダンロップタイヤが優れたモデルを持ち込んでくれたので決勝レースが楽しみです」

